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眼の療養と社会復帰

2024年11月12日 (火)

高齢者入門講座を受講予定

介護研修講座 001
 18歳の高校生は52年間「うじうじ」していて、気が付けば70さいになり、今年71歳の老人になりました。「暗くて長いトンネル」をようやくに抜け出したら、70歳代の老人に。浦島太郎ほどでないですが、無為に過ごした50年間は「あっという間」でした。

 あとわずか10年で81歳。20年で91歳。30年で101歳ですから。元気で生存できる時間は、無為に過ごした50年間に比べとても短い。焦るも感じますね。

 それで「高齢者入門講座」を受講することにしました。「介護に関する入門講座」(主催介護労働安定センター)の4回講座を受講することにしましちゃ。

 実は私等夫婦は2002年に介護保険制度がスタートしたばかりの頃、休日を利用して当時の介護の最低限の資格講座「2級ホームヘルパー講座」を受講したことがありました。介護実習(身体介護、在宅介護、訪問介護)の体験をしました。当時は私は49歳。父は83歳、母は77歳でした。両親は元気そのもので、介護体験は実際に両親が介護状態になった時に、参考になりました。

 今回は私たち夫婦がともに高齢者になったので、自分自身が「転ばぬ先の介護」を体験し、高齢化時代に備えようと勉強する気持ちになりました。自分の期待と講義内容がすべて一致はしないでしょうが、何かの参考になるでしょう。

 「要介護は突然に」来るとも言われています。可能なら「転ばぬ先の介護」に努め、健康寿命を延ばしたいと思います。地域防災でも担い手も、訓練参加者も高齢者ばかりです。それゆえリアルに、当事者として学べるのではないかと思います。

2024年11月 3日 (日)

リハビリウォーキングの効用

horikawa
 コロナ禍の2020年2月から、早朝に散歩すること実行しました。実は2019年に整形外科で「脊椎管狭窄症」「椎間板ヘルニア」「すべり症」という腰痛3大要素を抱えていて、医師に「普通に歩いていることが不思議だ」とも言われました。

 当時は母(2022年12月に逝去)の在宅介護をしていました。自分が腰痛になれば、母の介護は出来ないし、家内に過大な負担がかかります。腰痛にならないための方策は、だらだらと歩くことしかないと思いました。
aruki2
 リハビリ・ウォーキングの先駆者はFBの友人でもあり、JCでもお世話になりました芝藤倫朗さんでした。「ウォーキングはすぐには効果は出ませんが、続けていれば必ず効果がありますから。」と励ましていただきました。そのおかげで4年7か月継続しています。その間お陰さまで腰痛にはなりませんでした。
aruki
 特に2022年は母の介護度が進行し、6月から在宅介護になり要介護5になりました。おかげで母を背負って階段を降り、階段を上がることが出来ました。毎日日にち散歩していなければ腰痛が進行し母を背負うことは出来なかったと思います。リハビリ・ウォーキングのおかげです。

 まさに私にとりましては「新しい生活様式」になりました。何事も長続きせず、継続することが苦手な私ですが、リハビリ・ウォーキングは継続しています。

 リハビリ・ウォーキングの目安は、30分歩行で3500歩程度、1時間歩行で7000歩程度、1時間半歩行で1万歩歩行になります。歩数は乗るまではありません。ノルマは「毎日歩くこと」です。今年は目の手術で入院していた時も、医師の許可が出たので、院内をリハビリ・ウォーキングをしていました。歩くと体調も良くなりました。
ヘッドランプ
 今年はその他体調不良や怪我も多く、地域の行事も周到な準備しながら中止や延期になりました。落ち込むことが多いことばかりでしたが、心身のバランスを保てたのは、リハビリ・ウォーキングのおかげでした。心の支えにもなりました。大きい効用でした。

一方で39年間も続いている「海の散帆」も大事なリハビリです。「脳幹トレーニングになる」(脳ドックの先生談)ことなので、体力を維持して海へ出ます。
uminosanpo

2024年10月23日 (水)

「むなしさの味わい方」を読んで

むなしさの味わい方 表紙 001
 私個人の最近の出来事についていえば、「うまくいかないこと」だらけであり、「面白くない」出来事がとても多い。体調不良も多く、「いつもの」楽天的な私ではない。少々の失敗や落ち込みに対しては、沖縄流の「なんくるないさ」(何とかなるさ)の心持で乗り切ってきましたが、今年はそうはいかない状況でした。

 このまま今年は低迷して終わるだろうなと思いました。うつになって落ち込んでいくばかりではないかという恐怖もありました。そんなときにこの書籍を金高堂書店で購入しました。偶然書店で目に入り購入しました。

 きたやまおさむさんと言えば、学生時代のご活躍と言えばフォーククルセダーズでした。「帰ってきた酔っぱらい」「イムジン河」「あの素晴らしい愛をもう1度」など活動期間は短いものの、メガヒットを出しています。
むなしさの味わい方 その2 001
 その後は九州大学の教授をされていて、何年か前に定年退官され、フォークルを再結成されたという話題もありました。フォークルの解散後にメンバーの才気あふれる加藤和彦さんの自死もありました。

 実際にお会いしたことはありませんが、きたやまおさむさんはまた意外にも身近な存在でもあります。

 ヨットの大先輩であるUさんが、なんと京都府立医科大学時代ヨット部で、先輩であったそうです。1学年下の「きたやまおさむは クルーだった。」とのこと。3年ぐらい前に初めて聞きました。大学ヨット部は2人乗りの470やスナイプという艇に主に乗り琵琶湖で帆走練習をしています。

 Uさんは舵取り(スキッパー)であり、きたやまおさむさんはクルーで2枚帆を調整したり、風下帆走の場合はスピンネーカーという補助セールを出したり、取り入れたりする係をされていたようです。

 「大学時代は学生紛争でロックアウトされ、おまけに5年で卒業にされた。」とのこと。Uさんは今はある自治体の医師会の会長をなさっておられます。

 さて肝心の書籍の感想です。豊かな時代になり、物があふれる時代になりましても人々の悩みは尽きません。また最近の情報通信技術の発達などで、より人々は精神的に追い込まれているのではないかときたやまおさむさんは言われます。

「相手の反応に敏感すぎる時代」(P32)

「意味のない言葉の氾濫」(P33)

「ご期待対応力が評価される」(P37)

 「ご期待対応力」なる言葉は、きたやまおさむさんの独特の表現です。でも今の時代を的確に「切り取る言葉」ではないでしょうか。

 最近もス-パースターと言われるビックアーティストの伝記的な映画がありました。クイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーを描いた「ボヘミアン・ラブシティ」(2018年)、エルトンジョンを描いたロケットマン(2019年)がありました。

「こうした映画では、主人公のミュージシャンが、ファンの期待に応えようとしながら、こうありたいとの自己像との間で葛藤し、ドラックやアルコール、セックスなどに溺れ自滅していく姿が必ずといってよいほど描かれています。

 また、ドラックなどではなくても、自分の心に生じた「間」を受け止めきれずに、何かで必死で埋めようとしながらも、うまくいかずに立ち直れなくなってしまう場合も少なくありません。

 ともにフォーク・クルセーダーズを結成したメンバーの1人は、2009年に自ら命を絶ってしまいました。彼のことを考えると、今も私は心が傷みます。」(P43)

 心構えの対策として、きたやまおさむさんは、以下のことをいわれています。

「期待に応えるよりも「マイペース」をえらぶ決断」(P44)

「遊びがあってこそ」(P45)

「私たちは、このむなしさ」に慣れ、飲み込まれないようにする術を身につけなければならないでしょう。」(P49)

「このようにみてくれば、心の発達で、他者との関係性や自分の心の中に「間」が生じ、「むなしさ」という感覚を味わうということは、少なくない人たちにとっては、当然の経験であることがわかるでしょう。だから誰も「むなしさ」から逃れられないし、「むなしさ」を完全に消し去ることはできないのです。」(P77 「間」を生きるという課題)

「急な幻滅に遭遇したとしても、私たちの人生はそれで終わってしまうわけではありません。多くの場合、人生という物語は、急な幻滅悲劇の展開で終わることなく、その後もだらだらとつづいていきます。

 生きている限り明日は必ずやってきます。そして日常という時間w過ごさなければなりません。まして現代は長寿社会と言われ、私たちはかつてよりも長い人生を送ることになっています。

 こうした意味でも、私たちには時間が与えられています。」(P112「幻滅の後も人生は続く-時間をかけることの意味)

「物事を解決したり、何らかの対処をしたりするためには、時間が必要です。」時間をかけるというのは「間」(間)が生じるということです。「間」というのは、本書で何度も登場した「間」(ま)のことです。

 日本語では両方とも同じ漢字で表記します。空間的な広がりとしての「間」であり、、時間的な長さとしての「間」のことです。

 心の病気を治すためにも時間が必要です。すぐに治らないからと絶望してしまえば、病気を治すどころではんくなります。時間をかけて徐々に治っていくという「間」をけいけんしなければなりません。

 中略

 大切な相手との関係性にひびが入ってしまったという場合、早急に相手を見限って、関係性を絶ってしまうのではなく、時間をかければ、予期せぬ結果が生まれるかもしれません。そこが希望と絶望が交替する移行の期間なのです。

 心の問題に関する原則は、時こそ「解き」(とき)であり、時間が解決するということなのです。」(P113 待つことと、「間」に立ち続けること)

 著者によれば「待っている時間を過ごすこと、結論を急がずに、結論に至るまでの「間」に立ち続けることは簡単ではありません。」と言います。

 どっちつかずの境遇でひたすらい結果を期待して待ち続けることは、現代人は得意ではありません。結論を急ぎ、結果をもとめます。また「むなしさ」を回避しようとする仕組みが張り巡らせています。

「二面性を受け入れる」(P115)

「2面性を知ることで深まる認識」(P118)

「吐き出してすっきりしたいが」(P119)

「心をゴミで埋めようとする。」(P122)

「割り切れないもの、消化できないもの、未処理のもの、中途半端で矛盾しているもの、そうしたものを心の、いわば「溜め池」のようなところに、そのまま置いておく。そして時間をかける。そうした心の余裕を持つことが出来るかどうかが、「むなしさ」をうまくこなしていくことにもつながってきます。」
(P123もやもやは心の「ため池」に置いておく)
ため息をついても幸せは逃げない」(P124)

 このあたりの言葉は、精神科医のきたやまおさむさんの治療のなかから出てきた考え方であると思うし。依拠しているフロイトの精神分析をかみ砕いて説明をしていただいているようです。

「相手が自分の思ったとおりのひとでなかったとかいうとき、わたしたちは喪失感や幻滅を覚え、心に「むなしさ」が訪れます。

 中略

 心がすっきりしないとき、この怒りの内向と同様の自虐や自責が起きることがあります。相手が自分の思う通りの人ではなかったのは、実は相手が自分を嫌っているからではないか。自分は嫌われても仕方のない、価値のない人間ではないか。

  中略
 
 日本人は外向きに怒りを感じるのが苦手だとよく言われ、私たちは怒りを内向させがちです。でもそれでは、心に「置いた」ことにはなりません。」
(P126怒りの内向と自虐)

 ある新興宗教団体が、自責の念を利用して「その罪を解消するためには、教団にお金を納めて禊をすませなくてはならない。そのためには教団に帰依し、献金し続けなくてはならない」という大きな問題が社会事件でおきました。日本人の特性を悪用した献金システムでした。

「私たちは生きていくうえで、人に借りをつくり、恩を受けながら生きています。そもそも私たちの人生は親を始め、他人のケアを受けなければ生きていくことができないという未熟な乳幼児期からはじまります。

 そして、自分が大人になった時は、今度は自分が子供をケアする。あるいは他者に貸しをつくったり、恩を与えたりする。要するにお互い様です。

 白黒思考に固まっていると、「すまない」を置いておけず、すまないままではいられなくなるのです。妥協しながら貸し借りをつくりながら、物事はどっともどっちであり、あなたも私もお互い様をかみしめながら生きていくことが大切です。

 この「すまないものを「すまない」ままでとして置いておけるか。」ここでも「間」に立ち続けること、未処理のモノをそのまま置いておくことがもとめられています。」
(P!30「すまない」はおたがいさま)

このあたりはきたやまむさんの独特の表現。ご自身の体験と精神科医としての臨床体験や、研究した文献の逸話や、精神病理医師の先輩の所説などがわかりやすくかかれています。

「心の内奥には沼がある」

「現在私たちが生活している場所は多くがアスファルトやコンクリートによって埋められています。沼などは殆どなくなっています。ドロドロと臭く、経済的な価値を見出せない沼などは、どんどん埋め立てられ、私たちの前から聞けていきました。

 しかし人間は人間臭く、乳は乳臭いものだし、大地は土臭いものです。心の一部も臭いはずですが、私たちが人間である以上,有機の匂いがするものであり、私たちの「心の沼」を都会のように埋めてしまうことはできないのです。」(沼は臭いので蓋を P134)

「心の沼は、澄んではいない。」

 心の沼は、いつもドロドロ、ずぶずぶ、ぐずぐず、ぐちゃぐちゃしているので、ドブ掃除は無理です。 中略

 そこには容易に手を突っ込めない危険性もありますし、また性欲や残虐性もあります。底なし沼という言葉があるように、真っ暗で水中がどうなっているのかなかなか理解できないのです。だから心の中で、いくら酷い事、残虐なことを考えても、そのことは否定されるべきではありません。中略

 心の中でどんな空想をしようと、それは自由です。むしろ、心の中で考えてて置いておけるなら、ひどいこと、残虐なことを行動に移さないことが可能になります。心の中で自由に考えたり、想像したりすることを否定したら、ひとはとても息苦しくなり、むしろ危険なのです。

 私たちは、目の前で起きている現実と、心の中の現実と2つの現実を生きています。その2つの現実を生きていることを自覚し、その2つがバランスよく作用しあっていることが健康的な状態です。

 2つの現実の片方しか認めようとせず、あるいは2つの現実を同一にしようとするのは危険です。心の中で残虐性を実行することはよくあることですが、目の前の綺麗な現実だけを認め、それと乖離する心の現実を閉じたり、あるいは心の現実をそれに無理やり合わせようとすることも危険なことです。きれいごとをいい裏を認めず良い子である表にあわそうとすると、心に無理が生じます。

 ひどい、残虐な想像をしてしまうのも自分であり、他者に対して、良い人のように降る真っいているのも自分なのです。2つの現実と、人の2面性を認めることの大切さは、こうしたところからもりかいできます。

 このように、沼はあくまでにごったものであり、そのまま置いておくしかないのです。」(P136)

 長い引用をしました。きたやまおさむさんの言葉の1つ1つに納得しますし、わたしの「鬱々、ドロドロした、自分を卑下し、貶める考え方」から、お陰で解放された気分です。

 でも精神分析の専門分野をかみ砕いて説明してくれていますが、わかったようで、わからないところがたくさんあります。

 この文章を読んでいて思いだしたのは、私の子供時代(1960年から65年頃)小学生時代は、高知市内でも、転校先の大阪府豊中市でも吹田市でも、沼がありました。柵などもなく、「危ない河童に引き込まれるぞ!」とかの看板が立っていました。

 沼は沼で自然界では存在価値があり、水生植物や昆虫、淡水魚類などのビオトープの世界であったし、子供たちの手軽な釣り場でもありました。

 しかし高度成長時代が全国的に始まりますと、沼は埋めたてられ、宅地や工場や商業施設になりました。地面はコンクリートやアスファルトで埋められました。

 今年は猛暑でしたが、沼や小川は埋め立てられ、アスファルトで覆われました。市街地も暑くなります。沼に生息していた、カエルやミツバチや、トンボや、めだかなども身近な場所で見なくなりました。

 便利な社会になりましたが、なんだか皆が余裕のない状態になり、心のバランスを崩すようになりました。私もそうなりかけていました。

 高知でも東京でも皆、暇があればスマホの画面を見て「暇つぶし」をしています。会話もなく、人とのコミュニュケーション力の衰退も心配ですが、心の「むなしさ」や「間」をネットの情報で埋めてしまおうとして、かえって疲労が蓄積されて心にひずみが出来イェイるのではないかと私は心配しています。


「むなしさを味わう」(P157)

 きたやまおさむさんはこう書かれています。

 ここまで見てきたように、私たちの心には「むなしさ」が必ず訪れ、通例そのことから逃れることができないものです。そして「むなしさ」は「すまない」とともにいきていかざるをえません。

 しかし、そのことは、単にそれに耐えるべきものではなく、場合によっては、吐き出したい言葉を生み出し、創造性を育んで、むしろ人間の生に豊かさをもたらせてくれるのではないかと私は考えます。

 「むなしさ」そのものに意味はないかもしれません。でも「むなしさ」をかみしめ、味わうことには、」意味があるかもしれない。(P158) 

 私自身の個人史において自我というものが形成されたのは、中学生時代でありました。早熟な「政治少年」として、政治や社会運動に興味を持ち、当時の情報伝達手段は「ガリ版」(謄写版印刷)でしたので、それで手書きで「新聞」を発行し、社会評論的なことをしていました。

 そのころの作法として「うまくいかないこと。目標が達成できないときの原因を自分の中で追及し、文章化し、高めの達成目標を設定し実行していました。(実力から言えば高めの目標設定故に、殆ど到達できないことばかりでした。)

 しかしながら、自分でコントロールできない課題や、社会運動においては、党派の上級幹部(専従者)の命令などもあり、反論できないまま落ち込んでいき、挙句の果てには運動体自身が解体消滅し、敗北し、放り出されることの繰り返しでした。

 きたやまおさむさんの「沼」という考え方。「空しい」ことにも意味がある。決して無駄なことではない。出来ないときは出来ない。出来なくてもいい。という。まったりした考え方、発想法は新鮮でした。

 自分の気持ちを「文書化」して、目標を整理し、達成に向けて努力しする。それ等はいまでも、地域防災の会合などで、会合参加者の情報共有化の手助けになる手法であります。(深刻な問題以外では有益な方法手段です。)

 しかし万能の処方箋ではありません。きたやまおさむさんの今回の著作を読んで改めて気が付きました。

 今年は正月から手術や入院、療養が続き、その中でも、仕事の合間の「こまめな時間」を活用して、自分なりに「周到な」準備をしていた地域防災の2大大事業(私なりのである「仁淀川町防災キャンプ」が台風で中止になり、地域防災訓練予定日は、思わぬ衆議院の解散総選挙の関係で、延期が余儀なくされ、防災メニューの大幅な見直しが強いられました。

 仕事や地域活動も本調子ではなく、体調も本調子ではない。仕事もうまくいかないことがある。でもそれでも何とか生きて行かなくてはいけない。自分が情けなくて、すべて投げ出したい「マイナス思考の渦の中」で、この著作を読みました。

きたやまおさむさんの先輩格の精神分析医の前田重治さんの心の絵がありました。確かに文字表現で、心象風景を記述されてもわかりにくい。

 フロイトが日本に紹介された時代における精神分析の個々のイメージが描かれています。(P160)
フロイト心の中の世界図 001
 絵は「前田重治 フロイトの精神装置図」(1958年)とありました。

 上部は,外界に向かい知覚のために心は外に開かれています。(中略)

 個の前田先生の絵においても、無意識、あるいはほどんど無意識になっているエス(日本語ではそれを意味するドイツ語)は下部に置かれ、その最下層は身体に根差して「本能欲求取りこみ門が開口しています。」(P162)

「上部の頭脳や理性だけでは人間は生きていけないし頭脳や理性だけが、人間のすべてではありません。理性的な意識よりも、心の下部から湧き上がる、沼の臭い、欲望の臭いとしてのモヤモヤのほうが強くなってしまうこともあります。
現在の自我構造・前田氏 001
 したがって、上部と下部、その両方の領域を備えてこそ、人間の心の全体となるのです。」(P167「無意識と身体」)

この著作を読んで、あらためて、フォーククールセーダーズの」「あの素晴らしい愛をもう一度」の詩を読んでみると、心の深層を感じます。

作詞:北山修/作曲:加藤和彦/歌:フォーククルセイダーズ
「あの素晴らしい愛をもう一度 」

命かけてと

誓った日から
すてきな想い出
残してきたのに
あの時

同じ花を見て
美しいと
言った二人の
心と心が
今はもう通わない
あの素晴らしい
愛をもう一度
あの素晴らしい

愛をもう一度

赤トンボの唄を
歌った空は
なんにも変わって
いないけれど
あの時/
ずっと夕焼けを
追いかけて
いった二人の
心と心が
今はもう通わない
あの素晴らしい
愛をもう一度
あの素晴らしい

愛をもう一度

広い荒野に
ぽつんといるよで
涙が知らずに
あふれてくるのさ
あの時

風が流れても
変わらないと
言った二人の
心と心が
今はもう通わない
あの素晴らしい
愛をもう一度
あの素晴らしい
愛をもう一度

「日常でも、「美しいもの」を共有しながら愛でるのは親子だけでなく、恋人や友人同士でも多いのです。雪見、お花見、花火、お月見、」紅葉狩りと、私たちは昔から同じものを一緒に眺めて心を通わせ、この愛を育んできたのです。
 漱石による訳だという逸話もありますが、「アイラブユー」を「愛している」と見つめあって言うのではなく、肩を並べて、「月が綺麗だね」と言う比較文化論は、私たちの「横並びの愛」の深層心理を鋭く突いていると思うのです。

 だがこの愛が取り返しのない形で崩れ、しこに穴が開き。「つながり」が突然切れるなら、目も当てられない惨状が展開するでしょう。お互いが孤立して、「みんな」からハブられる恐怖や、向い合ってもらえない不安、そして同調圧力が生み出されてしまうのでしょう。

 だから、同じ花を見て美しいといった2人の心が今はもう通わないという悲劇は繰り返されるのだと、歌でも言うのです。(P193「あの素晴らしい愛について」)


 終章にこういう記述がありました。

「探し物はきっと見つからない。もし見つかったと思っても、それはすぐ目の前から消え、失われていきます。なぜなら、心の中で求めている「探し物」と全く同じものは、外の世界には存在しないのです。

 1人の人間のなかには、心の中と外という2つの現実があることを述べました。質の違う2つの現実が、1にの人間の中で共存しているのです。普通はどちらか片方だけが現実でもないし、2つの現実を一致させることも無理です。だから、心の中にある「探し物」は心の外の世界には存在しないのです。P195)

「本書は、蔓延していると感じる「むなしさ」につき、自己分析を踏まえ、日本語、日本文化、現代社会を見据えながら書いた。もちろん最近の私の一般向け書物と同様、フロイト理論や精神分析の対象関係論の考え方を活かしている。しかし「むなしさ」を感じたら、情報収集による穴埋めを控えて、これを味わい、できれば自分で考えてみたらと提案しているのだから、理論的なことやこのテーマに関わる議論は細かく書き込まなかった。」(P203あとがき」

 わたしにとって2024年は「トラブル」続きの年でした。正月には眼病での両目の手術と入院。療養生活などで長期間仕事が出来ませんでした。メガネ合わせに苦戦し、復帰できたのが5月連休前でした。

 でも手術のおかげで「失明」は免れ、「ド近眼」が「中程度の近視」になり、近くは見えるので老眼が不要になりました。悪いことばかりではありません。6月には右手裂傷、9月には帯状疱疹。10月には蜂に刺されるとかいうトラブルまでありました。

 おまけに周到に地元の皆様と準備してきました「仁淀川町防災キャンプ」も中止、地域の史ウ号防災訓練は、衆議院選の関係で延期(10月27日が12月1日)になる事態になりました。

 懸命に真摯にっ取り組んではいますが、「運も悪い」としかいいようのない事態になり、自分の非力を感じ落ち込んでいました。

 でも一方で18歳から70歳まで52年間うじうじと「孤独に」悩んできた問題も半分ぐらい解消できました。悪いことばかりではありません。

http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-b83a12.html
(「重信房子がいた時代」(油井りょう子・著・世界書院刊)を読んで

http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-f58837.html
(映画「ゲバルトの杜・彼は早稲田で死んだ」)

 18歳の少年(高校生)は長い長い先の見えない暗いトンネルの闇の中にいました。70歳の時ようやく外に出ました。今は71歳になりました。

 今回きたやまおさむさんお著作「むなしさ」の味わい方(岩波新書)を読んで、わたしは52年間も「むなしさ」を味わっていたのであったと思いました。人生そんなものかもしれません。

 仕事も地域活動も社会参加もうまくいかないことばかりです。焦らず「むなしさ」を敵視せず、自分のペースで乗り越えてみます。
yact
 脳ドックの医師は精神科医ではないでしょうが、「ヨットは脳幹トレーニングにはいい」と言われました。今年はヨットのほかにSUPも習います。「71の手習いです。主たる目的は、今の居住地域(海抜0Mの二葉町)は、南海トラフ地震が起きたら水没します。地域の防災会長としてSUPで住民の安否確認をしますので、基礎からの習いが必要だからです。

 自分の限界、体力と気力の衰えを思い知らされた2024年でした。悪いことではありません。できる範囲内で、やるべきことはやり続けます。

2024年8月10日 (土)

長崎市長の判断はおかしくはない


2024年8月9日の長崎原爆慰霊の日に、長崎市長はイスラエルを招待しませんでした。日本を除くG6(米・英・独・伊・仏・カナダ+EU」は、イスラエルが招待されなければ、我々は出席しない。と居丈高に騒いでいる。

長崎市長の「対応」は間違っていません。おかしいのは「ダブル・スタンダード」を平然で行うG6+EUの自称「先進国」「民主主義国」ではないのか。
彼らの言い分は「支離滅裂」ですね。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240808-OYT1T50112/
(イスラエル大使の不招待「変更ない」、米大使不参加は残念=長崎市長)

「日本を除く主要7カ国(G7)各国と欧州連合(EU)は、7月19日付で長崎市に書簡を送付した。ロイターが閲覧した同書簡はイスラエル大使が招待されない可能性があることを憂慮する内容で、招待状を送らなければ同国をロシアやベラルーシと同列に扱うことになると指摘。各国ともハイレベルの参加者を式典に派遣することは難しくなるとしていた。」


イスラエルのパレスティナ・ガザ地区での戦闘行為は「ロシア以上に残忍で非人道的」であることは、健全な精神や判断力のある人が見れば理解できます。

2024年7月27日 (土)

体とPCは一心同体?


 この10日前ぐらいから作業用のパソコンの調子がよろしくない。同時期世界的にマイクロシフトのパソコンの不具合が報道され、テレビで見る現象と同じような現象が作業用パソコンで現れました。

「とにかく動作がとても遅くなる。」

「勝手に再起動を繰り返す。」
DSCN6834
「表示はされますが、クリックしても作動しない。作動してもやたら時間がかかる。」現象が起きていて困り果てています。

 そういえば今使用しているマイクロソフトのパソコンは、「ウインドウズ10」で、来年10月に期限切れとか。「買い替え」を促すために製造元が「自殺・時間装置が作動」したのではないかと邪推します。

 そういえば今年(2024年)は体調も万全ではない。1月初頭と下旬に両目の手術。放置しておれば失明の危険性がありました。それは回避しました。両目の手術ですので、療養が長かった。3月に医療的な処置は終了しましたが、眼鏡の視力調整に2か月以上かかりました。元気になったそうやるぞと思った矢先、自損事故で右手薬指を裂傷。手術と治療で1か月間かかりました。
DSCN6835
 体の「メンテナンス」と「治療」が終了したと思ったら、今度は毎日使用していた作業用パソコンが不調になりました。もうおそ枚なのかもしれない。

 最近入れ込んで作成した資料が取り出せない。正直困ったいます。本当にパspこんのクラッシュは「突然」来ますね。

 しかも今回は体調不良とパソコンの不具合が重なりました。
DSCN6836

2024年7月26日 (金)

自分の体も心も自然の一部


 先週末の休日にお腹を壊してからというもの、体のバランスが壊れたのか体調がよろしくない。それまで平気であった事務所の気温(31度程度)に耐えられなくなり、朝から1日事務仕事でもエアコンをいれています。

 こんな体たらくなことは、しばらくありませんでした。年始からの両目の手術と入院、療養、視力調整、6月の右手薬指の裂傷があり、半年間は仕事も地域活動もできないありさまでした。70歳という正真正銘の高齢者になったということでしょう。

 それは仕方がない。ただ大きなプラスの出来事は、18歳の高校生時代から今に至る52年間悩んでいたことが、ほぼ解決したことです。それはとてつもなく大きい。「さあやるぞ!」と意気込んだとたんの体調不良でした。

 体調と精神を焦らず整えて、前進しましょう。あとはやりきればいいことばかりですから。やりきりますよ。

2024年6月18日 (火)

医学的な所見はないとのこと


 2024年1月4日に左眼、25日に右眼の手術をしていました。症状は網膜前膜と白内障でした。

 1時間を超える手術。17日間の入院生活。3か月間の自宅療養生活。なかなか眼鏡の度が合わず。4回も作り替えることに。視力は眼鏡に合っているし、眼鏡店と地元眼科医で視力検査は間違いありません。眼鏡が合わないという「違和感」は未だに払しょくできていません。

「眼球、術後の後の網膜、視力の低下も見られません。もう来なくて構いません。お近くの地元眼科で半年に1回程度検診してください。」と執刀医からは「無罪放免」されました。やれやれです。

 とはいえ、眼鏡をかけてのパソコン作業には、相変わらず違和感があります。試しにこの文章をパソコン作業用メガネをかけて打ちました。大分離れてきましたが、まだ復帰度80%というところです。

 結局この状態に「慣れる」しかありません。慣れる可能性も高いですが、慣れないでいる可能性もあります。それはそれで折り合うをつけるしかありません。

 タイミングがあれば昨年から懸案事項のSUPの指導も受けます。乗り方、こけ方、再度乗り方。バランスのとり方など。バランスの悪い年寄りなので覚えは悪いようですから。

2024年6月11日 (火)

BEGINは面白い

お天気コンサート3_NEW
 2024年6月8日(土曜)ですが、安手のp久しぶりの「海の散帆」(セーリング9に大満足後に、家内と一緒にBEGINのコンサートへいきました。
http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-0f0b39.html
(梅雨入り前の海の散帆)

 BIGINは沖縄石垣島出身のバンドであり、三宅裕司がやっていた「イカ天」で優勝したユニークなバンドという印象しかありませんでした。「島人ぬ宝」とか「恋いくて」ぐらい以下知りませんでした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/BEGIN_(%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89)


 17時から始まる高知県民文化ホールのコンサートい。17時からはじめるという開始時間のはやさもあり。当日は海から午後2時半に自宅に帰り、早めの夕食を午後3時過ぎに食べ、4時過ぎの路面電車で行きました。

 観客は私らのような老人から、子連れの世代や、若いカップル、赤ちゃんずれの複数の家族ずれなどが詰めかけていました。子連れOKのコンサートなんだと感心しました。
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「お天気ツアー」というコンサートでした。全国26か所を巡回していました。高知県民文化ホールは、高知県最大の収容人数(僅か1500人9です。BIGINはおしゃべりも多く、なんだかライブハウスにいるような気分でした。観客とアーティストの距離が近い。


https://www.youtube.com/watch?v=yjY6EuqbA90
(YouTube沖縄芸能フェスティバル2016年)

 写真・録画禁止なので、会場の雰囲気は再現できませんが、珍しく老若男女が楽しめるコンサートでした。ボーカルの比嘉栄昇さんが「子供さんが泣いても外へ連れ出さなくていいから。皆で楽しみましょう!」というよびっかけはとてもいいですね。子ずれの人達が10数組以上いましたから。

 また魚のマークを描いたグッズTシャツを着用した人たちが多くいました。根強いファンが多い。でも高知へは11年振りだそうです。終わりの方は観客皆総立ちで一緒に踊っていました。「ダブルヘッター」でしたが最後まで寝ることなく楽しめました。
BIGIN
 8月24日はまたまた家内の付き添いで香川での野外コンサートへいきます。翌週は仁淀川町での「防災キャンプ」の予定なので、体調管理が課題です。70歳代の老夫婦が野外コンサートを乗り切らないといけないですから。
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2024年6月 9日 (日)

梅雨入り前の海の散帆

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 2024年5月8日ですが、家内の許可も出ましたので、7時半過ぎに主ゅ発して香南市夜須のハーバーに来ました。空はどん曇で今にも雨が降りそうなお天気。

 

 お昼まで限定ということで、慎重にぎ装し、海に出ました。曇ってはいましたが、風はそこそこありました。1時間半ぐらいで終了しました。後片づけに時間がかかりますね。
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高知大学ヨット部とジュニア・ヨットクラブが練習で海へ出てきました。体がほぐれ、いい脳幹トレーニングになりました。

 

 夕方は17時からBEGINのコンサートがあります。15時までには帰りつかないといけないです。
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 このところ海の散帆は「ダブルブッキング」が続きます。昨年11月4日は、ヨットの後は仁淀川町長者のキャンドルナイトでした。5月28日の散帆の後は御近所の方の結婚披露宴でした。今回もそうです。3回続けてフルタイムでの帆走はなしですね。
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 年寄りなので無理するなということなんでしょう。今日の目的は「海に慣れること」「脳幹トレーニング」「暑さに慣れること」です。目的は達成できました。
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2024年5月14日 (火)

身体のメンテナンスの1日でした。


 2024年5月8日ですが、朝から年に1度の健康診断(生活習慣病健診)に行きました。検便、検尿、採血、胃の撮影、胸部レントゲン、心電図、聴力と視力測定と医師によるしんさつがありました。喜ばしいことが1つありました。それは腹囲が昨年89cmから、今年は82cmでした。看護師さんが驚いていました。

 毎日の早朝ウォーキングと晩酌を辞めたこと、お菓子の量を減らしたことでしょうか。確かにおなか周りのぜい肉は減りましたが、いまだにわき腹などのはしつこく付着しています。体調をととのえ、セーリングなどに定期的に行けるようになり、筋トレも出来るようになれば、より体が絞れ、病気しにくい体になると思います。

 70歳超えになると、「何もしなくても元気」ということはありません。かなり節制し、努力しないと体力や身体能力は維持できません。「成り行き任せ」にしておきますと想像以上に身体機能は低下し、生活習慣病になり、寿命が短くなります。

 歯の検査もレントゲンを撮りました。また舌の検診もしました。左右の下の歯の1番奥の歯がいかれているようです。詰め物をしていますが歯の下部がいかれているとの判定です。他の歯が健全なのでその2本はいずれ抜歯しないといけないとか。「いよいよとなったら抜けばいい」と歯科医は言いました。

 午後からはかかりつけ眼科へも行きました。昨年11月に目に穴が開いているとしてきされ、町田病院に繋いでいただきました。放置すれば失明する可能性がありました。「網膜前膜と白内障」の手術を両目で行い、17日間入院していました。2月、3月と自宅療養し、4月に新しい眼鏡性勝ち卯になりましたが、なんだかしっくり来ていません。視力調整に苦しんでいます。

 パイオン作業用の眼鏡がしっくりこないので、気合入れて仕事が出来ません。それが1番の悩みです。毛様体筋にやさしい眼鏡をつくれともNHKの番組で言われていましたが、なかなか普及していません。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%9B%E6%A7%98%E4%BD%93%E7%AD%8B(毛様体筋)

 眼鏡屋さんも眼科医も「作ったメガネで視力はOKです。」になっています。でも眼鏡をかけ続けてパソコン作業を長時間すると目がしんどい。それが辛いです。課題は残りました

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