50年の時を経て、10年ぶりに再会した友人と喫茶店、イベント会場、居酒屋と合計で8時間意見交換しました。自分たちのこと、お互いの人生の歩み、家族のこと、社会運動、労働運動、政治について、国家論について語り合いました。
また友人が「双極性障害」という心の病で長年悩んでいることも聞きました。聞きなれない症状でした。昔は「躁うつ病」と呼ばれていたそうです。心の病と呼ばれている病状の名称も、近年変化しています。精神分裂病は、統合失調症と呼ばれています。痴呆は認知症と呼ばれています。アルコール依存症も心の病の1つです。
母がアルツハイマー型認知症との診断されたのが2008年10月。2022年12月に母は97歳で他界しましたが、在宅介護していましたので、14年間のつきあいでした。親類にアルコール依存症の人がいました。認知症は母が83歳の時になりましたので、高齢者の心の病での体験しかしていません。それでにわか勉強にすぎませんが、「心の病」に関連する本を図書館で借りてきて、「ななめ読み」することにしました。

図書館で8冊の「心の病」に関する書籍を借りました。その中で4冊が「双極性障害」に関連する書籍でした。
「双極性 病態の理解から治療戦略まで」(加藤忠史・著・医学学院・2023年刊)、
「元東大生格闘家、双極性障害になる」(巽宇宙・著・堀有・監修・日本評論社・2023年刊)
「これだけは知っておきたい双極性第3版・加藤忠史・著・翔泳ぐ社・2024年刊m)
「双極性と診断されたとき読む本」(加藤忠史・著・大和出版・2024年刊)です。

関連本として「うつ病バンザイ」(しめきん・著)、「大人の発達障害グレーゾーンの人たち」(林寧哲・著)「マンガでわかる適応障害・浅井逸郎・著)、「話が通じないの正体・共感障害という謎」(黒川伊保子・著)も斜め読みしました。
気が付いたことは「双極性障害」という心の病は、最近言われだしたようです。今回図書館で借りた双極性障害について書いている本は、いずれも新しく、2023年と2024年の発刊でした。
もう1つ驚いたことは「双極性障害」という心の病は、年齢関係なく誰でも発病する可能性があるという現実でした。たまたまかもしれませんが「双極性障害」と図書館にて借りた本は4冊とも、刊行年が2023年や2024年でした。ということは一般的に知られていない心の病ではないかと思いました。

「双極性 病態の理解から治療戦略まで」(加藤忠史・著・医学学院・2023年刊)、を読んでみました。加藤忠史氏は4冊借りた双極性障害関連本のうちの3冊の著者なので、専門家なのでしょう。医学学院ときうところが刊行しているので、専門書の初歩の本なのかもしれないです。
意外に読みやすい本でした。それは双極性障害の患者の実例が表記されています。長文になりますがいくつか引用してみます。
①「症例 21歳男性、双極性1型、躁エピソード:中程度」(P34)
元来は内向的、神経質な性格で、友人は少なかったという。専門学校卒業後、洋服店に勤めている。
高校2年頃、特に誘因果なくうつ状態となった。人と話すのが怖くなり、自宅で1日中横臥し、テレビを、見ても人と話しても内容が頭に入らない感じであったという。食欲はむしろ亢進し、過食のため体重が増加した。近医師を受診し投薬を受け、2週間ほどで自然に軽快したため通院はしなかった。
21歳時、うつ状態となり、2週間ほど家にこもった後回復したが、回復したが、回復の2週間後より調子が良くなり、多弁で、夜も1時間半程度しか眠らなくなった。勤務先の店でもはしゃぎすぎた様子で、客に冗談を言うなど様子がおかしいため、上司から「皆から浮いているぞ」と休養を勧められた。
以前よりバイクが好きであったが、バイク店に行き欲しかった高価なバイクをローンで購入。ほかにも消費者ローンでローンカードを作って、100万円ほどの買い物をした。家でも、夜遅くまで友人に電話して、電話中に感極まって泣き出したり、音楽をかけて1人で踊ったり、今までしなかったようなことをする。親に無断で外泊し、繁華街の路上で寝てきたが、血だらけで、足にもマメができていたという。様子がおかしいため両親が連れて精神科受診。
受診時、サングラスをかけ、茶髪に、Tシャツ姿、表情は豊かで、声の大きさ、速さは中等でで抑揚豊か、会話は奔逸的、会話中、感極まったように泣き出す。面接中は、身振り手振りは多いが、席に座って話している。
こんな自分になったのは初めて幸せです。いい面で変わることができた。
街を歩いていると、芸能人みたいに女の子たちに注目されている感じ。
海外旅行に行きたい。今までは外人は全くだめだったけど、英会話もしゃべるようになる。プラス思考で金持ちになる。路上で寝ていた時に気功で止められると思った。仕事をやめて芸能界へ入ろうと思っている。などと話した。」
入院を勧めたところ,本人は絶対に嫌ですと激しい口調で述べていたが、説得しているうちに、「入院なんて悔しい」と泣き始めた。ある程度は納得した様子であり、関連の精神科医院を紹介し、即日入院となった。
1週間保護室で治療した後に、1か月後に退院したが、退院後にすぐにうつ状態となり1か月ほど寝込んだという。

②「症例 57歳男性 双極性1型 躁エピソード:中等度」(P36)
元来やや自己中心的な性格で、親友はいなかったという。高校2年生頃(17歳)、2週間ほど意欲、食欲が低下し、寝つきが悪くなり、頭が回らない感じを伴う時期があったというが、」学校へは行けていた。
その後2,3年に1回、逆に少し高揚して、やや活動性が上昇し、頭の回転が良くなるような時期があったというが、周囲からは殆ど気づかれていない。
大学卒業後、銀行に勤めたが、最初の職場は5年務めたあと、「仕事がつまらないから辞めた」という。その後も「会社が傾いたから自分から辞めた」「社長が馬鹿だからばかばかしくなり」「社内の人間関係に嫌気がさして」などの理由で、最短1か月、最長10年ごとに転職することが続いた。転職時の精神状態についてははっきりしないが、いずれも上記のような軽躁状態だった可能性が考えられた。
47歳より、現在の職場(外資系銀行)に勤務し、数年前より部長に昇進している。上司の話では、職場のでの人間関係がうまくいかなかないため人事管理は不得手だが、経理などの仕事の能力は高く、かなり責任ある仕事を任され、十分こなしていたという。しかし、人と議論しているときにコントロールが利かないほど興奮して、気に入らない部下を罵倒したり、執念深く憎しみを増加させるようにみえることが何度かあったという。
57歳時7月より、何もやる気がなく、明け方4時には覚醒し、意欲、食欲が低下し、頭が回らない感じを伴う時期が出現、仕事には行っていたものの、それまでの軽うつ状態に比べ長引き、1か月ぐらい続いたあとに自然に軽快した(初めての抑うつエピソード)
その後10月に、何人かの部下に退職勧告を行う仕事を任され、ストレスを感じていたが、その仕事をしているうち、次第に気分が高揚し、逆に部下を辞めさせることに嬉々とした様子になってきた。多弁に話し続け、どんどん新しい発想がわき「頭の回転が速すぎて口が追い付かない」感じとなった。
多くの重要な仕事を人に任せず一人で抱え込むようになり、どんどん仕事を広げ、毎朝7時から夜10時過ぎまで、土日も休むことなく働き、夜もほとんど眠らずに、仕事関連のことをしていたが、上司の話では実際には仕事は破綻しつつあったという。ほかの部長に、仕事のアイデアを書いたファックスを夜遅くに送り付けることも頻回であった。しかしこうした状態でも、家族はいつもの本人と特に変わりないと考え、問題視していなかった。
11月頃には、友人を家に招待し、朝の6時まで休みなくしゃべり続けたため、友人が驚き異常に気がついたという。職場では、同僚と話す度に、異常な速度で大量のメモを取るが、メモを自室に大量に散らかしたままにしており、全くまとまりのある仕事ができる状態ではなくなってりた。この頃社長より妻は初めて異常に気づいた。その後社長の指示に従い会社を休んでいたが、家でも、テレビで官僚の腐敗問題を見て義憤を感じ、官庁に電話して「大臣を出せ!」と要求し、聞き入れられないと「ふざけるな馬鹿野郎!!」と怒鳴るなど普段は全く見られない言動があった。妻も治療が必要と考えて精神科を受診させた。
受診時、質問票にあふれんばかりの内容を書いた。診察時は、一応椅子には座っており、多弁で休みなく話が、制止は可能であった。病識はほとんどなく、会社の仕事の状況ばかりを話したが、眠れないこと、足がつるなども訴えはしていた。
双極性1型障害、躁病エピソード:中等度と診断し、発症年齢は気分循環症の出現ととれば、17歳、抑うつエピソードを撮れば57歳と考えられた。会社を休むことはできているため、炭酸ナトリウム(200MG)1回1錠、1日3回および非定型抗精神病薬を減量し、4週目より中止。
初診時より疾患についての説明を行い、2回目には心理的教育用パンフレットも渡して塗料継続の必要性を本人および妻に説明したところ、本人は「わかりました」と服薬の必要性を理解したようなことを述べたが、治療開始後6週目には予約日に受診しなかった。こちらから電話したところ、妻は本人が受診していないことは知らない様子で「すぐに受診させます」と述べ、通院は再開された。
その後も繰り返し治療の必要性などを話し合い、その度に納得したようなことを述べるが、治療が継続できるかどうか不安な状態があった。しかし、何とか外来での治療を軌道に乗り、次第に落ち着いた。
加藤忠史氏の著作からの引用は2例だけでしたが、著作から書き写す作業をしただけでしたが、「双極性障害」という心の病の深刻さ、大変さを思い知らされました。
しかも現役世代の人達の事例には胸が詰まりました。「双極性障害」の現実を友人から伝え聞き、4冊の書籍から知ることが出来ました。誰もが発症する可能性があるし、知られていない症状なので、患者本人の辛さ、ご家族の辛さは大変であると思いました。
症例を読んでいて、睡眠の重要性を改めて感じました。脳の機能を安定させるためには、
睡眠が重要ではないかと思いました。脳の情報処理能力は凄いですが、限度があり、休息も必要。睡眠して、起床時に目覚めが良くすっきりしていれば、脳の働きも良くなるのではないかと思いました。
私の場合は、息抜きは「海の散帆」。脳ドックの先生は「ヨットは脳幹トレーニングには最適。続けてやってください。あなたは10年前と比べ脳が委縮してませんから。」と言われました。ヨットは全身運動でもありますので、海へ行った日が熟睡できますから。目覚めもすっきりです。

眠れない状態で脳を酷使すれば、生命体だから疲れてミスもするし、感情もコントロールできなくなると思います。上手に休むこと脳を休まさせることも大事であると思いました。最近見かけるスマホを1日中見ることは情報過多になり、脳が疲れ、心の病を発症するリスクを高めることになるのではと心配しています。
症例が多く掲載されていました。老若男女の症例がありました。16歳から72歳の症例があり、多くの人達が関心を持ち、予防や見守りが必要な心の病であることを理解することが出来ました。
また市民各位も正しい情報で知ること、理解することが必要。皆が理解し、共生の地域社会を作る必要を感じました。
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