最近のトラックバック

カテゴリー

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

災害情報サイト・地震・台風など

行政の防災情報

無料ブログはココログ

市民サイドの防災情報

フォト

内閣府地区防災計画

2017年10月11日 (水)

名古屋大学での意見交換会のゲストスピーカー


22310166_1525667070858651_614987123

 2017年10月6日(金)は、午後6時から名古屋大学情報文化学部棟4階STS4教室で、参加者との意見交換会に高知市役所地域防災推進課係長山中晶一さんと一緒にゲストスピーカーをしました。テーマは「新しい防災の考え方を求めて」です。
Nisimura_yamanaka

 最初に室井研二准教授が挨拶されました。次に今春3月に退官された田中重好先生からも挨拶をいただきました。ずっと新しい防災のあり方を研究なさって来られました。
Photo_5


Photo_6

 「なかなか行政は、逃げるのは難しい地域ですよ。なんてことは言えません。でも自主防災会は言えますね。


 いつもは10人程度の会合であると聞いていましたが20人を超える学識者や行政関係者、企業関係者、大学院生が参加していました。
Photo_7

Photo_10


 最初に山中晶一さんが、高知市の立場で地区防災計画を今は下知地区でモデル事業でやっていますが、どのように全市的に広げるように横展開するのかをお話しされました。

「内閣府のモデル事業として2015年度は取組みました。当初から住民参加型の地区防災計画としてスタートしました。下知地域は各種データで説明しましたように、標高も低く(海抜0メートル)、地盤も弱く、高台もない地域です。」
_new_r_6

「課題解決型の防災対策ではなく、魅力増進型の防災対策として地区防災計画を推進しています。声の大きなリーダーの意見にみんなが従うのではなく、参加者皆が意見を言い合う、ワードカフェ方式で下知の地区防災計画は意見を集約させてきました。」
_new_r_7


_new_0001_r

「地区防災計画は、「魂を入れる」(心・仲間づくり)「仏を作る」(形・計画、モノの確保)「仏を磨く」(継続・訓練。見直し)で行われています。」

「地区防災計画を来年度には高知市防災会議に提案するようにします。高知市地域防災計画に反映していけるようにしていければと思っています。そして他の地域にも地区防災計画を広げて行きたいと思っています。」
_new_r_8

「黒潮町の地区防災計画は、町職員全員が担当地区を決め3人一組で地域へ入り、地区防災計画の議論を進めています。下知地区では住民が主体になった地区防災計画であると思います。」
Photo_11


 下知地区減災連絡会の西村副会長のほうからは「住民目線の減災対策・主に二葉町の活動」活動実践について話をしました。

「地域住民の実態を把握するために防災世帯調査を実施しました。各世帯の人達の病歴。介護歴・障害等を書いてもらいます。服薬情報(薬手帳)も貼り付けていただきます。そして家にある防災資機材を申告していただき、専門職の資格を持った人も申告頂きました。

 町内に医師や看護師、介護師や整体師、手話通訳者、薬剤師などが町内に居られることもわかりました。」

「要支援者(80歳以上、10歳以下を防災世帯調査で把握し、役員所有の地図では、赤点で印をつけている。その結果津波避難ビルまで遠い班では、自宅から50M以内を目標に津波避難ビル指定を地区(防災会・町内会)でやりました。」

「もしもの時の疎開と言うことで6年前から山間部の仁淀川町の住民と交流をしています。空き家や公民館を借用する話をしていっています。しかし行政側の支援は具体化していません。」」

「長期的視点や大きな話をすれば、立体換地をして耐震高層住宅を事前に建設し整備すれば、揺れや、浸水、津波の犠牲者は激減します。」という話をしました。
Photo_8


Photo_9


Super04

 意見交換会ではいろんな意見が出ました。

「いろんな地域の経験を横に広げていくことが大事です。なかなか広がらないので、今日のような会を通じて広げるべきだ。」

「研究所だけでなく、いろんな立場(地域の)人たちを集約していくことも大事です。」

「行政職員のマンパワーも不足気味。最近でこそコミュニティ防災が言われ出しました。それだけ地域の繋がりが弱って来ていますね。」

「避難所へ皆収容するのではなく、在宅避難者へも情報を正確に伝達することことが大事であると思う。」

「行政は公平を強調しすぎる。一所懸命やっている地域には、予算を傾斜配分すべきです。」

 なかなか話は尽きませんでした。有志による懇親会でも熱い議論が続いていました。ゲストスピーカーの1人をしながらの意見交換でしたので、参加者の発言内容をきちんと記録できず、断片的な記述になってしまってことをお詫びします。

2017年7月 8日 (土)

鍵屋一先生の防災マネジメント


Kagiya1sita


Kagiya2kizi

 自治体の防災マネジメントを提唱している鍵屋一さん(跡見女子大学教授j)の論文「地域・自治体の防災マネジメントを考える・下」が掲載されていました。

 坂本茂雄さんのFBの画像からの転載なので、文字が不鮮明です。丹念にお読みますと当初から関わっていただいた下知地区防災計画のことが記述されています。

 何よりも住民参加でのワークショプの積み重ねで、ほぼ地域の「めざすべき未来像・あるべき下知地区の姿」が鮮明になりました。地域防災のリーダー層の参加ではありますが、2年間継続したことで、地域の中に浸透し始めたことは確かです。
Dscn0827_r


Dscn0836_r


Ws10

 これを今後地域全体に浸透させていくのか。短期の防災対策だけでなく、中期。長期の地域のあるべき未来像をどのように形成していくのか。行政が支援いただいた下知地区防災計画(1年前は内閣府・2年・3年目は高知市)は今年度で終了します。

 その後下知地域で事前復興まちづくり計画推進委員会ができるかどうかが今後の課題であると思います。

2017年4月 8日 (土)

「南海トラフ地震に備えちょき」の全戸配布


_r

 高知県危機管理部南海トラフ地震対策課が制作した「生き抜くために 南海地震に備えちょき 家庭保存版」(平成29年3月改定版)」「が、高知市防災対策部防災政策課より送付されてきました。おそらく高知県下の全世帯に送付されたと思います。
2_r

 今までも「南海トラフ地震に備えちょき」は何度か配布されていました。基本的な地震対策、事前対策が記述されています。今回はより内容が充実し、「情報の整理」「事前対策チェックリスト」や「被災後の生活支援の窓口や支援制度」についても書いてあります。
3_new_r


4_new_r

 じっくり精読し、保存をしておけば、いざという時に役立ちます。「長期浸水」の記述や、「想定される被害と対策による減災効果」も記述されてはいます。現在の想定死者数が13000人。将来住宅の耐震化率を100%にし、津波早期避難率を100%、津波避難空間整備率を100%にすれば死者数は1800人になるとか。

 詳細に見ましたが、未だに「どこのドライエリアの避難所に町内単位で移動できるのか?」「広域避難体制は構築されているのか。」については未だに記述がありません。生活再建のロードマップも示されてはいません。
6_new_r

 P58にようやく高知市下知地区で取り組んでいる「地区防災計画」は少しだけ掲載されました。これも高知市地域防災推進課の尽力です。「南海トラフ地震で高知県内の死者を0にし、被害を低減化する」ことに関しては、完成度は30%程度です。
5_new_r


2017年3月 8日 (水)

二葉町自主防災会・活動記録 2007年から2016年まで

いろんな活動をしてきました。すべてを列挙はできませんが、このブログ「二葉町防災新聞」から二葉町自主簿言う再開に関連する事業を拾い出してみました。それ以外に取材対応や、番組出演などもありました。


二葉町自主防災会・活動記録 2007年から2016年まで

2007年    二葉町自主防災会活動開始
         防災備品購入・防災マップ作成(1回目)

2008年    神戸市長田区鷹取東地区との意見交換会の実施


2009年    防災炊き出し訓練実施(青柳公園)

         今治市自主防災連合会が来訪・交流会(青柳公園)

         窓ガラス飛散フィルム貼訓練

2010年    防災・減災タウンミーティング

         家具転倒防止。窓カラス飛散防止講習会

2011年    二葉町防災世帯調査を実施

         仁淀川町との交流開始(6月・11月)


         昭和秋の感謝祭へ参加

         防災人づくり塾へ二葉町有志が参加

2012年    仁淀川町Bスタイル研究会へ参加(長者地区との交流)

         2つの防災倉庫をコーポシーロード5階へ移転

         仁淀川町長者地区での田植え体験交流

         昭和秋の感謝祭へ参加・仁淀川町も参加

         下知地区減災連絡会が結成・参加

         徳島防災センター研修

         仁淀川町長者地区との交流会

         下知コミュニティ・センター防災部会設立

2013年    下知コミュニティ・センター開所

下知まち歩き・(岡村眞先生)

         徳島県三好市住民との交流・山菜取りに参加

         仁淀川町長者地区での田植体験交流会

         仁淀川町「疎開・宿泊」体験

         仁淀川町長者小で、宇宙メダカ・宇宙大豆贈呈式

         仁淀川町長者での脱穀作業に参加

    
         携帯用トランシーバー(10台)購入しました。


         防災講演会「市民目線から見た長田区鷹取東の復興」
         「浮体式人工地盤が下知を救う」

         二葉町防災世帯調査を実施しました。

         昭和秋の感謝祭に参加。(二葉町・仁淀川町コラボ)

         LPガス発電機を導入。西森ビルに保管。


2014年    仁淀川町・だんだんの里1周年祝賀会へ参加

         仁淀川町・長者で田植え体験しました。

         徳島県美波町自主防災会連合会との意見交換会

         高知県警・長期浸水対策訓練に参加しました。

         情報伝達訓練(トランシーバー)を実施。

         二葉町防災マップを作成(2回目)配付・掲示


         下知地域内連携協議会が発足しました。

         昭和秋の感謝祭に参加しました。

2015年    長田区鷹取東震災20年慰霊祭に参加。

         二葉町で火災発生

         堀川耐震護岸工事の開始(県)

         仁淀川町長者での田植え体験

         高知蛍プロジェクトを仲介(太陽光発電街路灯事業)

         東北被災地交流ツアー(石巻・名取・東松島)へ参加

         内閣府地区防災計画モデル事業に採択・スタート

         津波避難ビルが4カ所増えました。

         下知すまいるふぇあに参加しました。

         今治市防災士会連合会との交流

         JOCA研修生(防災)との意見交換会

         仁淀川町泉川地区との交流会・鳥形山見学

         昭和小児童・下知まち歩きへの協力

         下知情況付与型避難所運営訓練

         昭和秋の感謝祭へ参加しました。

         地区防災計画意見交換会4回実施


2016年    消火器BOX4か所 消火栓BIX1か所設置

         地区防災計画フォーラム(仙台)へ参加

         高知蛍プロジェクト1年目(太陽光発電街路灯70設置

         仁淀川町長者での田植え体験

         高知港海岸直轄海岸整備事業着手式(耐震堤防3重防護

         消火・放水・炊き出し訓練の実施(青柳公園)

         スマイル・フェア・しもじに参加しました。
  
         液体消火器の購入と配置(町内5カ所)

         JICA研修生(防災)の下知地区訪問

         昭和秋の感謝祭への参加

         下知地区防災計画・町内意見交換会の実施

         仁淀川町長者で稲刈り体験をしました。

         下知地区総合防災訓練

         山田伝津館。震災語り部菅野和夫氏来訪

         下知地区防災計画意見交換会の実施(年度4回)


2017年    JICA研修生(コミュニティ防災)との意見交換会

         下知地区防災計画2年度のまとめ


 

          

          

2017年2月14日 (火)

潮江と下知の事例発表会


Kounnkai

 2017年2月12日(日曜)ですが、高知市知寄町のちより街テラスの大ホールで、「平成28年度自主防災活移動事例発表会」が行われました。主催は高知市自主防災組織連絡協議会(久武邦雄会長)です。
_r

 松下潤一初月地区自主防災会連合会会長の司会進行で事例発表会は始まりました。まず久武邦雄会長から「昨年は宮古市長などの講演もやってきましたが、熱心に取り組んでいる市内の2つの連合自主防災会の事例発表会を企画しました。」と挨拶されました。
_r_2

 続いて門吉高知市災害対策部長より「連合会組織結成のお蔭で、高知市内の自主防災会の組織率が90%を超えることが出来ました。」と言われました。
_r_3

 そのなかでも活発に活動している潮江南防災連合会(報告者・川上政寿事務局長)と下知地区減災連絡会(報告者・坂本茂雄事務局長)です。2人ともエースです。まず川上政寿さんから潮江南地区の活動報告がありました。「いきるために 地域をとりこむ潮江南防災連合会の取り組み」という表題で報告が行われました。
_r_4


_r_5

 潮江南地区は、伝統的に活発な潮江南小学校地区の町内会や住民組織と一体化した活動をされておられ、動員力も物凄いものがありますね。昨年も高知新聞の「いのぐ」モデル地区にもなっていました。東日本大震災の被災地とも交流をしているようです。「むずび塾」での繋がりで河北新聞から震災の「語り部」達が潮江地区を訪問。地区住民とまち歩きをしたりされています。
_r_6


_r_7

 どの地域の防災会共通の悩みは「若い世代をひきこむこと」「世代交代をいまくやること」であると思います。その点潮江南は凄いのは、年に2回大規模なイベントを開催していることですね。「夏祭り」「区民運動会」の開催と運営で、人材を発掘し、育てています。
_r_8

 防災の行事では必ず潮江南小学校と連携し、巻き込むことが「伝統的に」潮江南地区では上手くいっているように思いました。小学校を舞台にした防災訓練や防災キャンプ。山への避難訓練など活発に行っています。
_r_9

 非常持ち出し袋を小学4年生に配布し、何を入れて来るのか、思いつく品物3点を入れて登校、中身を確認したことも、いいことをやっています。
_r_10

 何より会合後の「慰労会」は欠かさないのが潮江南地区であるそうです。伝統的な小学校を中心とした住民力で、精進されている姿を感じることが出来ました。
_r_11

 下知地区減災連絡会の坂本茂雄さんからは、「共助を大きく、防災に「も」強い安心・安全な街へ」というテーマです。「減災連絡会結成のきっかけは、下知コミュニティ・センターの開所(2013年4月)があり、センターの運営委員会の中に他のの地域にはない「防災部会」をつくるにあたり、単位自主防災会の連合体をこしらえる必要性(2012年10月結成)がありました。

 それで単位自主防災会の会長は下知地区減災連絡会の役員になりました。またそうなると男性ばかりになるので、「女性役員枠」をこしらえ、自薦他薦を問わず役員会が承認したら役員になってもらいました。今は役員の3分の1が女性です。

 坂本茂雄さんは、「昭和小市民防災プロジェクト」の活動が、地域の津波避難ビル指定の動きを加速したと報告されました。ま避難訓練も情報伝達訓練や、情況付与型訓練や、要支援者対応訓練を実施しています。
_r_12

 単位自主防災会の取組として、二葉町自主防災会の全町内世帯を対象とした防災世帯調査や、もしもの地震の場合の「疎開を前提とした」仁淀川町との「顔の見える普段からの交流」などが紹介されました。
_r_13

 サーパス知寄町1自主防災会では、2014年・15年とマンション総合防災計画(国土交通省モデル事業)に取組み、現在「南海トラフ地震対策・津波避難防災マニュアル」を策定中です。マンション住民各位が安否を確認し、安全に上層階へ避難するための手引きの作成です。
_r_14

 また下知有志で五台山に土地を借地し、市民農園活動をしています。食料確保が将来の目標。そのなかで五台山地区の住民との「顔の見える」交流をすています。


 2014年にすべての下知地域の団体が加盟した「下知地域内連携協議会」を発足させ、昨年は下知地区全世帯に「BONDES」という会報を作成し配布しました。また夏と秋には下知街テラスにて、下知地区にゆかりのある祭りを行っています。
Bonz

 下知地区は、2015年から「地区防災計画」に取り組んでいて、「事前復興計画」を策定するために地区でのワークショプや町内ごとの意見交換会(2016年)も取り組んできました。
_r_15

 それは「課題解決型の防災」から、「地域の魅力増進型」の防災に転換させなければならないという下知地区住民の想いから「事前復興計画」づくりの意見交換会を1昨年から始めました。最初は内閣府のモデル事業。昨年・今年は高知市のモデル事業です。
_r_16


_r_17

 なぜ「事前復興計画」なのか。それは2015年6月に下知地区減災連絡会有志で、「東北被災地交流ツアー」を実施し、石巻市、名取市、東松島市を訪れました。そこで事前の復興計画を住民各位で自治体を含めて策定しておかないと大災害直後にはおいそれとは復興計画など策定し、住民の合意形成をこしらえることは容易ではない現実を見たからでした。

 昨年後半より、各町内へ入り、より細かな意見交換会を実施しています。今年はそのまとめ作業にはいります。と報告がありました。

 休憩を挟み、山中晶一高知市地域防災推進課課長補佐が司会をし、川上、坂本両氏が登壇して、参加者との意見交換会をしました。
_r_18


_r_19

 土佐山地区で防災活動をされている佐藤さんや、県立大3回生で防災サークルをされている清水さんや、安芸市の仙頭さんからも意見や感想が述べられていました。
_r_20


_r_21


_r_22


_r_23

 大変中身のある事例発表会でした。関係者の皆様お疲れ様でした。寒い中参加者各位もご苦労様でした。事務方のお世話をされました高知市地域防災推進課の皆様もお疲れ様でした。

 フロアでは市内自主防災会の活動事例のパネルがありました。
_r_24


_r_25


_r_26


_r_27


_r_28


_r_29


_r_30


_r_31


_r_32


_r_33


2017年2月 7日 (火)

高知市都市計画(コンパクト・シティ)について

_new_r

 高知新聞1月24日夕刊記事に「高知市 都市機能を3駅周辺に移動」とあります。記事によりますと、今後の「少子高齢化」により人口減少と人口構成の高齢化に対応するために「コンパクト・シティ」を目指すようです。

http://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/52/rittekipubcome.html

(高知市都市計画課ホームページ・高知市立地適正化計画(案)に係るパブリック・コメントの実施について)

 それゆえ、都市機能をJR高知駅周辺を「中心機能」、JR旭駅・JR朝倉駅にも都市機能を集約し、高知市を今までのように経済原理にゆだねた広域分散型の非効率な都市形成に歯止めをかけ、商業施設、行政機能、医療・介護士施設を狭い場所に集約で、効率的な都市経営を目指すと言うものでしょう。

 海抜0メートルの高知市下知地域で毎日生活し、仕事している立場の者としては、「高知市立地適正化計画(案)」のP38にある記述に注目しました。


「本計画において市街化区域の約 4 割を占める津波浸水想定区域を除外して居住誘導区域を設定することは、現実的には困難です。

 たとえ被災したとしても、人命が失われないことを最重要視し、災害時の被害を最小化する「減災」の考えに基づき、「逃げることを前提としたまちづくり」を基本とします。

なお、これら考え方については、国・県及び関係課等で作成する計画に準拠しながら、本計画との連携を図っていきます。」(P38)

 あまりに簡素化した記述ではないか。「高知市立地適正化計画」(案)なるものを読んでみてください。低地の市街地の市民は見殺し計画ですね。
Saisin_zisin_hzmap_new_r


Shomozizentaihyoukouizu1

 コンパクトシティを標榜しながら、自らも認めているように「本計画において市街化区域の約 4 割を占める津波浸水想定区域を除外して居住誘導区域を設定することは、現実的には困難です。」と言いながら、その対策は「たとえ被災したとしても、人命が失われないことを最重要視し、災害時の被害を最小化する「減災」の考えに基づき、「逃げることを前提としたまちづくり」を基本とします。」とあります。

 想定される南海トラフ地震では、高知市の人口の14万人が居住している中央部。江ノ口、下知、潮江、高須、大津、五台山、などの地域は低地(海抜0から2M)であり、軟弱地盤であります。
1000nenmaefutabacxhoi

(1000年前は高知市の市街地はすべて海のなかです。)

 規模の小さめの昭和南海地震時には、下知と潮江地区は地盤沈下により水没、長期浸水状態になりました。「たとえ被災したとしても、人命が失われないことを最重要視し、災害時の被害を最小化する「減災」の考えに基づき、「逃げることを前提としたまちづくり」を基本とします。」とありますが、「どこへ逃げるのか」「どこのドライエリアの避難所へ行くのか」「生活復旧のめどはどうなるのか」が、東日本大震災から6年、阪神大震災から22年経過しますのに、未だに具体化されていません。
Shoimozikita19472l


Shimozidenteil


(昭和南海地震では下知地区は、長期浸水しました。)

 「コンパクト・シティ」を標榜するのであれば、14万人の低地の市街地に居住する市民や、立地している企業や商業施設や学校や医療・介護施設の「安心・安全」が大前提ではないのか。

 「命を守った後は、御勝手に」と言われているようで、実に不愉快です。

 低地の下知地区を盛り土し、立体換地して耐震高層住宅を建て、浸水に負けないまちづくりを下知地区防災計画では目指したいと個人的には考えていますが、高知市都市計画の中には、そのような観点は全くない事が判明し、愕然としています。」

2017年1月26日 (木)

広報下知減災・1月号

Photo

 下知地区減災連絡会の広報紙「広報下知減災」2017年1月号が、発刊されました。事務局長の坂本茂雄さんが編集・発行されています。年に3回程度不定期に発刊され、高知市下知地区の各自主防災会や準備会に配布されています。

 2017年1月号は、現在下知地区で、2015年から取り組んでいます「下知地区防災計画」の特集です。下知地区全体での意見検討会の様子や、下知地区を8つのブロックにわけ、2~3の町内ごとに意見交換会を昨年10月から11月にかけて実施しました。その様子がレポートされています。
Photo_2

 下知地区防災計画は、「事前復興計画」を意識して意見交換されてきました。罹災後どうやって安心・安全な街下知をこしらえるのはどうすればいいのか。それには下知の街が魅力的でなければいけない。それはどういうことなのかをずっと議論をしてきました。

 その意見交換会の地域での広がりと、深堀をしていったのが、2年目の下知地区防災計画でした。昭和小学校でも6年生たちが、事前復興まちづくりへの提案もしていただきました。各町内でも多様意見が出ました。
Photo_3

 2年前に下知地区有志が現地(石巻市)を訪問し、大変お世話になった川瀬総一郎さん(雄勝歯科診療所所長)口腔ケアの重要性を講演でお話いただきました。3面に記事を掲載しています。

 昨年12月18日に実施した下知地区総合防災訓練には、早朝各防災会での地区避難訓練、午前中は昭和小での避難所体験訓練、午後からは下知コミュニティ・センターにて「要配慮者支援訓練」をしました。

 超高齢者である父(97歳)と母(91歳)も訓練に参加させていただきました。10名ほど80歳以上の高齢者や障害を持たれている人達も参加しました。昭和小でも下知コミュニティ・センターでも課題がいくつも見つかりました。
Photo_4

 2月1日は午後6時から、「地区防災計画第7回検討会」が午後6時から下知コミュニティ・センターで開催されます。冒頭に昭和小6年生の防災学習の成果発表がされます。
Photo_5


2016年12月31日 (土)

2016年を振り返って


 結局情報の整理はつかず(夏ごろからたりたいと思っていました)が、流されてついに年内整理が出来ず年越しになりました。

 2016年、地域防災関係の出来事を順不同で振り返ります。

1)内閣府主催「地区防災計画フォーラム」に参加させていただきました。

https://youtu.be/I6Pgcril6CE

 3月11日から」13日まで仙台市にて12日に地区防災計画フォラムがありました。前日に行きました。仙台空港から名取市へ行き5年目の慰霊祭へ出席しました。昨年お世話になりました格井直光さんと再会することができました。

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-31a0.html
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-2d92.html

2)高知市役所が「下知地区防災計画」を2年間支援していただくことになりました。

 内閣府の「地区防災計画モデル事業」は1年限りです。高知市下知地区の地区防災計画は、「事前復興計画」でなければなりません。それゆえ地域の中での「意見交換会」の広がりとより多くの住民の参加と意見の集約化が必要です。
 今年度と来年度の2年間、高知市が「地区防災計画モデル事業」として支援いただくことになりました。おおきな出来事です。

3)JICA研修生の皆様が下知地区を来訪(9月)
Jica2


Jica1

 2016年9月22日に下知コミュニティ・センターにてJICA研修生(防災担当官)の皆さん方が来訪され、昨年に続き、座学やまち歩き、意見交換をしました。大変好評で、2017年3月2日にも下知地区でのコミュニティ防災の研修を行うことになりました。

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/jica/index.html

4)仁淀川町長者地区との地域間交流が深化しました。
Taue


Hanbai


Photo


Akiya

 今年もだんだんくらぶさんのお世話で田植え体験(5月29日)、稲刈り体験(10月)、脱穀体験をしました。11月3日には「昭和秋の感謝祭」に食材販売に来ていただきました。
 12月8日には、NHK高知放送局の取材に協力いただき、長者地区の空き家や公民館施設を見せていただきました。
 
 http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/cat43975382/index.html
 
 5)下知地域の防災の取り組みについて取材対応をしました。

 新聞社やテレビ局、ラジオ局での取材対応をさせていただきました。

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-7d93.html

(NHK高知放送局TV)12月放映
Akiya2

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-56bc.html

(高知新聞。高知地震新聞 10月21日掲載)
2_new_r

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-3e2d.html

(朝日新聞全国版 8月26日掲載)
Asahi

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-98db.html

(NHK高知放送局ラジオ出演しました。「2月25日」
Nhk2_r

6)高知港海岸直轄工事整備着手式がありました。(5月28日)
Photo_2

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-e49e.html


7)今治市防災士会研究大会へ参加しました
Toriazi

 1月31日は今治市防災士会が主催する「第5回自主防災研究大会」へ参加しました。高知市下知地区からは、横田政道(若松町)大崎修二(弥生町)、高木妙(高埇)、原池薫(丸池)、坂本茂雄(知寄町)、西村健一(二葉町)が参加しました。鷹匠町の宮本哲夫さんも参加していただきました

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-1012.html

 応急手当と市民搬送トリアージを研修しました。

8)下知地区総合防災訓練が実施されました。

 2016年12月18日下知総合防災訓練が早朝から夕方まで実施されました。

 若松町防災会の早朝避難訓練。情報伝達訓練。昭和小での児童・教員・保護者・地域住民の合同避難訓練。午後からは下知コミュニティ・センターでの要配慮者支援訓練をしました。
 
 http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-77cd.html
9)五台山市民農園活動が始まりました
Nouenn


Nouenn3

 若松町防災会長の横田政道さんが知人に五台山東部の土地を市民農園として借用し、4月から雑草除去、土の運搬、野菜の植え付けを行いました。公益信託「まちづくりファンド」の助成も受けました。

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/cat66670257/index.html

10)徳島県美波町を土佐市宇佐地区防災会と一緒に訪問しました
Yuki

  2016年7月16日は、土佐市宇佐自主防災会連合会の皆さん方の「美波町・事前復興計画研修会」に便乗させていただき、高知市下知地域からは、横田政道、大崎修二。西村健一が参加させていただきました。

 バスで一般道で片道4時間半(休憩時間含む)かかります。土佐市宇佐防災会が14人、高知市下知地区から3人、須崎市と高知市春野地区から1人の合計19人で美波町・由岐地区へ行きました。

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-28a7.html

11)二葉町消火・防火・炊き出し訓練をしました。

 2016年6月12日(日曜日)は、9時より高知市青柳公園にて、消火器消火訓練、放水訓練、防災炊き出し訓練を実施しました。主催は二葉町自主防災会(森宏・会長)です。二葉町や近隣町内会などから50人が参加しました。
Photo_3


Syouka

 結構活動していますね。情報処理が追いつかない筈です。

2016年10月 2日 (日)

第6回高知市下知地区防災計画検討会

 第6回高知市下知地区防災計画検討会は、2016年9月27日(火曜日)午後6時半から下知コミュニティ・センターで開催されました。今回の検討会には、昭和小の教員が5人参加、津波避難ビルの所有者や管理人、地域内の企業、事業者なども参加、高知市地域コミュニティ推進課から3人、県議の加藤漠氏も見学に来られました。
_r

 初参加の人も多く、60人の参加がありました。坂本茂雄下知地区減災連絡会事務局長から西沢雅道さん(内閣府大臣官房付・福岡大学法学部准教授)の紹介がありました。内閣府時代に平成23年に策定された地区防災計画の「生みの親」の方です。
_r_2

 初参加の人も10数人おられるので、昨年よりのアドバーサーである鍵屋一さん(跡見学園女子大学教授)から、昨年度の経過と振り返り、下知地区がとりくんでいる「事前復興計画」の意義についてわかりやすく解説いただきました。
_r_3

「大災害の直後に、地域の再建、再興について落ち着いて話し合いが出来るのかと言えば難しい。災害が来る前から地域の事を立場の異なる人が集まり、意見交換し、あるべき姿をまとめることはとても大事なことです。」

 鍵屋一さんから東日本大震災の地震の揺れの記録も見せていただきました。震度5強から6弱の揺れだそうですが、軟弱地盤の沿岸部の揺れは強烈。南海トラフ地震は、6強か7と言う揺れはそれ以上であると言う説明がなされました。

「これからの防災は、損失を減らす防災(応急対策)から、「魅力増進型」の防災へ。(事前復興により)日常から人や地域の魅力づくりを進めながら、災害時にも安全安心な取り組みができます、」

「事前復興計画のコンセプト。いのちが助かるだけでは十分ではない。生き続けたくなるまちづくり重要。南海トラフ後のまちづくりを見据えた事前復興計画でなければならない。昨年平成27年の検討委員会で得られたコンセプトは、「こどもたちが伸び伸びと遊べるどこか懐かしいまち、下知(仮置き)であります。」

 ひととうりの説明とふりかえりのあと、各テーブル(6グループ)に着いた参加者(今回は近隣の町同士の組み合わせ)で、「子供たち」「高齢者・障害者」「産業の振興’生活再建)のテーマで、意見交換が行われました。
 _r_4

 そして1人だけ残して、すべて他のグループに移動、そこでの意見交換をおこなう。また元のグループへ戻って意見交換をします。「ワードカフェ」という独特のやりかたです。
P1010314_r


P1010313_r


P1010316_r

 最後に他のグループの意見で賛同の考え方にシールを貼る作業をおこないました。「民意を集める」やりかたとしたら優れものです。各グループも活性化して盛り上がりました。初参加の人達も違和感はなく溶け込んで議論に参加されていました。
Wstensuu1_r


Wstensuu2_r

 今後の日程は10月7日に下知減災連絡会の役員会を行い、次回の検討会(来年1月)までに、各町内で意見交換会を開催していくことです。なかなか大変な作業ですが、いいトレーニングになると思います。
_r_5

 参加者各位もっと議論をしたい盛り上がりでしたが、午後9時前に意見交換会は終了しました。これからが正念場であると思います。内容のまとめは後日頭の整理ができれば行います。

2016年9月21日 (水)

「南海トラフ巨大地震被災想定地域の社会構造と防災対策に関する社会的考察」を読んで

_new_r


 「南海トラフ巨大地震被災想定地域の社会構造と防災対策に関する社会的考察」(室井研二・著・名古屋大学大学院環境学研究科・准教授)を読みました。室井研二さんは2013年頃から2015年までの3か年間、高知市下知地域へ名古屋から通われ、多くの市民有志から聞き取り調査をされました。また高知市役所や高知県庁も訪問し、裏付け資料も調査をされていました。

 2016年3月に発刊され、贈呈いただきました。何度も読み返しましたが、内容が重たいので、なかなか読書ノートをとる事ができませんでした。

 地震・津波災害となると、理工系の地震工学の学識者や、土木工学の学識者の声が大きいようです。おおむね被災後の復旧・復興工事も土木建設が主体であり、行政の上意下達式のやりかたが復興工事においてもまかりとうり、いろんなトラブルを引き起こしています。

 1995年の阪神大震災後の神戸市の復興工事が1つの例ですが、莫大な公共投資の割には、まちが復興し発展したとは到底言えない現実を見て来ました。2011年の東日本大震災の被災地を2015年に巡回する機会がありました。そこでも復興工事が遅々として進まない地域と、手早く集団移転事業が完了していた地域がありました。

 高台造成工事や、盛り土による低地のかさ上げ工事も工事期間は最低5年はかかると言われ、人のライフサイクルと、復興のサイクルとのずれが指摘されています。「復興災害」という言葉もあります。

 室井研二さんは学識者ですが、フットワークが軽く、広範な聞き取りと調査活動をされ、独自の視点で著作を書かれました。2012年から2015年までの3年間高知市下知地区をフィールドワークされ、行政、大学、住民などに聞き取り調査もされました。時に一緒に懇親会にも参加いただきました。2015年の下知地区有志が主体の「東北被災地交流ツアー」にも現地集合で参加されました。
Isinomoririmangakan

 社会学的な観点での被災予定地域の調査活動には、わたしは大変興味がありました。必要性を常に考えていました。
1000nenmaefutabacxhoi

下知は干拓地であり、長らく農地や荒れ地でした。明治以降も海運業が盛んな時代は、ウォーターフロントの街として、農人町、南宝永町、二葉町、若松町の堀川沿いは港湾町として発展していました。

 路面電車の伸長や、道路の伸長により、中心街にほど近い地の利もあり、零細鐵工所や商業、住居混合型の街として発展してきました。

 高知市の都市計画事業が、東京五輪前後(1964年)に下知地区でも区画整理事業が行われました。人口の急増で、賃貸や分譲のマンションが「地の利」を活用して建設されました。

 戸建て住宅に住む古くから住む住民と、分譲や賃貸マンションに移入してきた住民との融和は子弟が小学校へ通学している間の繋がりしかなく、地域コミュニティとしては、きわめて弱い結びつきしかありませんでした。

 市内の他の地区では開催されている地区運動会も、90年代前後に「世話役不足」で休止され、以後開催されていません。室井研二さんは、そのあたりも詳細に観察されておられます。

「もともと遊水地として利活用が図られていた土地で急激に市街地化がすすんだことで、0M地帯では水害が頻発するようになった。そうした開発と災害の矛盾を決定的に印象づけたのが、1970年に発生した高知水害(台風10号)である。」(高知市の開発と災害履歴 P69)

「高知市0M地帯の災害脆弱性は開発に関連した土地利用の変化によって地用されてきた。市長局もそのことを自覚し、防災の観点から開発規制の必要性が強調されてきたが、他方では都市化に伴う住宅需要への対応や、工業開発に関連した土地利用対策に追われ、実際の防災は土木工学的な対策に終始する経緯をたどってきた。

 その結果、市街地では先進的な排水対策が進んだ一方で、想定浸水域でスプロール的に都市化が進み、災害ポテンシャルがこれまでになく拡大するという皮肉な状況が生み出されている。」(高知市の開発と災害履歴 P70) 
Saisin_zisin_hzmap_new_r

 室井研二さんは、高知市下知地域の地理的特性、歴史的な背景や、高知市政の都市政策の観点から独特の表現で記述されています。大変重要な観点ですので、長文になりますが、引用させていただきます。

「第1に、高知市の0M地帯では、工学的な防災対策がこれまでになく進展する一方で、社会経済的な災害脆弱性がこれまでになく深刻化していることである。
 こうした矛盾はいうまでもなくこれまでの開発政策や都市化の歴史的帰結として現出しているものであり、工学的な防災対策と開発(規制)政策の整合性の欠如に起因するものである。

 この点に関する真摯な歴史的反省とともに、行政には防災対策の前提として充て対策地区のコミュニティが置かれている社会経済的現状に対する政策的な配慮が求められよう。」

「第2に、南海トラフ地震被害想定の見直しが住民生活に逆説的な影響をもたらせていることである。いうまでもなく被害想定の見直しは災害への危機意識を高め、防災対策を拡充する狙いを持つものであるが、逆にそのことが地価の下落を招き、階層的低位層の土地への緊縛を帰結している面がある。

 これは災害・防災に関する「科学」的な想定やそれに依拠した工学的対策と、そうした想定の社会経済的な受容や生活面での対策のギャップともいえる問題である。そうしたギャップをどう埋めるのかが、防災の課題としてとわれるべきであろう。」

「第3にコミュニティの「放置」と「再生」ともいうべき動向がみられることである。これまでの分析が示すのは、災害脆弱性が開発の歪みの帰結として立ち現れ、そのしわ寄せが階層的周辺層に集中していることである。

 そして、その地を離れることが叶わない人たちの間で、最後の依り場として地域的結束が再生され、同様の困難を抱えた地域との連帯のもと地域の生き残りが模索されると言う現実である。それが「下からの」防災の現実的な姿なのである。
_r

 確かに、下知減災連絡会の取組にはコミュニティ防災の範例として評価されるべきものも多いが、それは見方を変えれば「放置」されたが故の強いられた共同なのであって、住民だけの対応には自ずと限界があることは明らかである。

 このような現実に自治体がどう向き合い、どのように応えることができるのか。地区防災計画の真価や防災パラダイムの転換の内実も、こうした意味での自治や分権の行方を追うことからも明らかになろう。」(まとめにかえて P77)

 室井研二さんの3点に指摘は的確です。南海トラフ地震に関しては、常に「地震学者」による科学的な知見が披露され、自治体や報道機関の広報もおおむね、それに沿っている。

 多くはしゃらっと「高知市下知地域は全域が海抜0メートルの市街地。高台はなく軟弱地盤で海に隣接している。想定される震度は6強から7。地盤は最大2メートルは沈下する。津波は地震発生後30分で到達するが、その前に地域は浸水が始まり、長期浸水する可能性があり、復興、復旧はとても難しい。」と言われている。
91_new_r

 国や県や高知市の対応の多くは、「国に浦戸湾3重防護の耐震堤防を認めていただいた。16年後に完成すれば下知の浸水は想定より早く解消される見込みだ。」

 と県土木部は言う。しかし未だに長期浸水時に、「どこのドライエリアに避難するのか?」「応急仮設住宅の建設など可能なのか?」「長期浸水は解消されても地盤沈下したままで市街地の再生は可能なのか?」の疑問に対して、高知市も高知県もなんの回答も未だに(東日本大震災から5年半経過した現在でも)持ち合わしていない。

 要は高知県庁の下知地区など高知市の低地(海抜0メートル)の減災対策は、河川と海岸の護岸工事のみに特化しています。避難計画や支援計画は高知市の領分として関与しようとしません。

 一方高知市ですが、浸水からの一時避難対策に過ぎない「津波避難ビル」の指定に追われているのが現実。その多くは民間所有のマンションなどであり、所有者の「良心」にすがっているのが現実。(ある民間賃貸マンションの津波避難ビル。屋上を入れれば150人が避難可能。しかし屋上には鍵がかけられている。理由は飲料水タンクがあり、異物を混入されることは嫌だから。)という理由。もっともです。その津波避難ビルは実際には、階段部と廊下で30人程度しか避難できません。)

 低地の下知地区でも、民間の5階建て程度のマンションすらなく、津波避難ビルが地域の町内に皆無な地区も未だに存在しています。そうした地域であれば市役所が津波避難ビルや津波避難タワーを建設すべきであるが、その兆しは全くないようです。
_new_r_3

 まして被災後の復興計画や、生活再建のめどなど、現状では「想像の世界」のなかです。具体的な「ロード・マップ」「工程表」は全くありません。

 下知地区防災計画=下知事前復興まちづくり計画をこしらえていくなかで、そのあたりの個別課題も具体的なものにしていきたいと思います。

 つくづく防災・減災活動にも室井研二さんがご指摘された「社会学的な視点」と「都市計画の視点」は必要であると思います。

 室井研二さんの著作「南海トラフ巨大地震被災想定地域の社会構造と防災対策に関する社会的考察」を参考にし、熟読して、下知地区防災計画=下知事前復興まちづくり計画に反映し、市民自治の原則で「下知が幸せになる物語」をみんなの力で作り上げたいと思います。
_new_r_2

 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

2015年昭和秋の感謝祭「 | 2016年参議院選挙 | 2016昭和秋の感謝祭 | BCP(事業再構築計画)推進 | JICA研修生の皆さんとの意見交換会 | NPO高知減災ネットワーク会議 | まちづくり条例見守り委員会 | トイレ対策 | ニュース | ハイパーレスキュー艇・シーレックス | パソコン・インターネット | ペット | ユニバーサルな防災・減災対策 | ロープワーク | 三好市との交流 | 下知コミュニティ・センター防災部会 | 下知図書館建て替え問題 | 下知地区防災計画・ブロック会 | 下知地域内連係協議会 | 下知市民図書館改築問題 | 下知減災連絡会 | 事前復興計画に策定作業 | 二葉町内防火対策 | 二葉町町内会 | 二葉町自主防災会行事 | 五台山・市民農園 | 五台山2次避難所構想 | 五台山2次避難構想 | 仁淀川町ー二葉町との交流事業 | 今治市防災士会・連合防災部会との交流 | 今野清喜さん講演会 | 企業の災害対策 | 保存食・保存食材 | 内閣府・地区防災計画フォーラムIN仙台 | 内閣府地区防災計画 | 医療・介護情報の共有化の必要性 | 南海地震情報 | 南海地震関係 | 危機管理の意識 | 原子力災害 | 受援力向上セミナー | 口腔ケアの重要性 | 台風・大雨対策 | 台風対策 | 台風情報 | 名古屋大学・室井研二准教授 | 名古屋市南区・白水・星崎地区 | 国政との関連 | 国際信号旗 | 地震保険 | 報道関係 | 太陽灯LED照明 | 女性の視点(生活者)の視点 | 学識者・大学関係者 | 家具転倒防止対策 | 家具転倒防止講習会 | 家屋の手入れ | 岡村眞先生講演会 | 巨大地震・津波対策用高強度発泡樹脂浮力体 | 市民目線での減災対策 | 平成28年度下知地区防災計画 | 復旧・復興対策 | 徳島県美波町との交流 | 心と体 | 情報伝達手段 | 情報伝達訓練 | 情報班 | 感染症対策 | 戦争災害 | 排泄(排尿・排便)ケアの必要性 | 救命艇エアーボート | 救急救命法 | 文化・芸術 | 新潟中越地震の教訓 | 旅行・地域 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 昭和南海地震 | 昭和小学校の防災学習 | 昭和小学校の防災教育 | 昭和校区地域内連係協議会準備研究会 | 書籍・雑誌 | 東北被災地交流ツアー | 東日本大震災の罹災地から学ぶ | 東日本大震災の震災遺構 | 河瀬聡一郎氏講演会 | 津波避難ビル | 津波避難施設について | 津波避難訓練 | 災害に強い熱源としてのLPガス | 災害時の医療支援のありかた | 災害時の食料確保 | 災害時国際貢献・支援 | 熊本地震関連2016年 | 疎開保険 | 研修会・講習会 | 神戸市長田区鷹取との交流 | 神戸市長田区鷹取東地区との交流 | 窓ガラス飛散防止講習会 | 立体換地 | 経済・政治・国際 | 耐震護岸工事 | 耐震貯水槽活用問題 | 脱水症対策 | 自主防災会の交流事業 | 自主防災会同士の交流 | 自衛隊の救助訓練 | 蓄光塗料 | 西村吉正・春子服薬情報 | 認知症症候群関連 | 超高齢者の事前減災対策 | 防災マップづくり | 防災世帯調査 | 防災備品の管理 | 防災啓発懇談会 | 防災啓発用 | 防災啓発用映画 | 防災啓発番組 | 防災士 | 防災炊き出し訓練 | 防災用品展示会 | 防錆対策・防錆塗装 | 電源の確保 | 震災語り部管野和夫さん | 食事情報 | 高知大学との協働事業 | 高知大学防災すけっと隊 | 高知市地域コミュニティ推進課 | 高知市地域防災推進課 | 高知市政 | 高知市社会福祉協議会 | 高知市自主防災組織連絡協議会 | 高知市議会 | 高知市長との意見交換会資料2015年 | 高知市防災士会連絡協議会 | 高知県危機管理部 | 高知県土木部 | 高知県政 | 高知県看護協会 | 高知県議会 | 高知HOTARUプロジェクト | 高齢者・認知症対策 | 2015年統一地方選挙・県議・市議 | 2016年熊本地震 | 2016年熊本地震関係 | 8月14日の自己責任の失火について | NPO高知市民会議(防災)