「あなただけの」情報で孤立
日本経済新聞2021年8月1日号の特集記事「あなただけの情報で孤立」「判断誤る恐れ、視野広げてこそ」という記事に注目しました。
今までも薄々(10年ほど前から)、パソコンで言葉の意味や事象をGoogleやyahooで検索したり、自分のブログに記事を投稿しますと、自分のパソコンが「自分仕様」になる亀背を感じていました。
パソコンの画面に「コバンザメ」のように現れるネット広告も、自分自身がGoogleやyahooで調べていた製品や関連情報を先読みした広告が自動的に表示されることに気が付きました。年齢相応の広告まで現れます。
どうやらネットの影響はそんな程度に収まらないようです。記事には以下のように書いていました。
「新たなジャンルや分野に関心を持つ機会が奪われる---。
専門家が警鐘をならすのはフィルターバブルだ。
SNS(交流サイト)やアクセス解析できる電子媒体は、検索やクリックした履歴をアルゴリズムが学ぶ。見たいはずの情報をおススメとして示す。」
「アルゴリズムの精度が上がるほど、自分の考えや価値観にそぐわない情報は表示頻度が下がっていく。泡(バブル)の中にとじこめられるような状態だ。」
「フィルターバブルは2016年の米大統領選挙を機に広く知られるようになった。トランプ氏の支持者がみるフェイスブックの画面には、トランプ氏支持を伝える投稿が繰り返し表示され、人々は影響を受けた。」
「表示内容がどれだけ変更しているか、もしくは客観的なのかよくわからない。中略
自分で選んだフィルターではなく、避けようにも避けられない」
ネットの時代は「情報の多様性」が増大すると私は考えていましたが、そうではない現象が現実に現れる怖さも知りました。
電子媒体の難しさも指摘されています。
「紙はページをめくって様々な情報に触れられる。電子媒体は必要な情報に効率的にアクセスできるが、より広範な情報に触れる機会は減る可能性がある。」
とはいえ今回の記事の結論は「情報の多様性は維持した方が良いというのは、今の時代のコンセンサスではないだろうか」と記事にありますが、私も賛同します。
私個人としては、母の在宅介護などで、外出する自由度が格段に低くなりました。それゆえフェイスブックなどでは、私と年齢も職業も境遇も、考え方も異なる皆様と極力つながりたいと思っています。
なぜかと言いますと、現実の生活の中では自分と思想信条の異なる方とはお知り合いになることはなかなかできませんし、考え方に触れることもできないからです。SNSは「制約だらけ」の私でも、「社会の多様な考え方に触れる社会、公共の場」として重宝しています。多様な考え方をSNSで眺めるだけで楽しいですから。
そこでは自分の考え方をご披露はします。でもその考え方に賛同をいただく必要なありません。むしろ反対の意見などが聞ければありがたいと思っています。ただ私と思想信条の異なる人たちの主義主張を「眺める」だけで、とても参考になります。
SNSはうっかりすると「自分と似たり寄ったり」の人達ばかりと「友人」になってしまいます。結局「偏った考え方」の人間になってしまいます。SNSは議論をする場所ではなく、異論を見つけ、「こういう考え方もあるのか」と「発見」する場として私は活用しています。
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