「静穏域に安堵するな」は卓見です。
何度も「繰り返し」になりますが、日本は世界で有数の(あるいは世界1の)災害大国ではないかと思います。いつもの「繰り言」から始めます。
「日本の面積は、世界の陸地の総面積のわずか0.28%しかありません。しかし、世界で発生する巨大地震の約20%が、日本で発生しているのです。単純計算で他の国々の約100倍の地震発生率であり、その原因の1つが、この「4つのプレートの上」という世界唯一の立地なのです。そして、もう1つの原因は、確認されているだけでも2,000を超える活断層が、北海道から沖縄まで日本列島の下を縦横無尽に走っていることなのです。
政府の地震調査委員会は、首都直下型巨大地震が30年以内に発生する確率を「70%」と試算しました。関東から九州まで壊滅する恐れのある南海トラフ巨大地震の発生も、すでに秒読み段階です。
日本は世界有数の火山国です。400程度ある世界の火山の4分の1の110が日本にありますから。噴火、火砕流、火山灰の降下など過去にも大災害が起きています。
また地球温暖化が原因であるのか定かではありませんが、近年は大型台風の被害と大雨豪雨災害、大雪災害もあります。まさに日本は災害大国。
これほど「負」の条件が揃っている国が、未だに原発をベースロード電源として再稼働を進めていること自体が正気の沙汰ではありません。そして、安全化するまで10万年も掛かる使用済み核燃料を地層処分するなどという責任放棄、これも決して許されるものではありません。
このような状況下で最優先すべき政策は、福島第1原発を始めとした全国すべての原発の一刻も早い廃炉であって、間違っても再稼働ではありません。」(ブログ記事日本は災害大国。原発は不要です。」
http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-a51c86.html
(ブログ記事 災害大国日本には原発は不要です。)
2017年5月22日の高知新聞に掲載されましたコラム記事です。
コラムを買描いたのは島村秀紀さん(地震学者、日本文藝家協会会員、評論家、エッセイスト)です。地震学者で文藝家ということは、寺田虎彦さんのような人です。
4年前の記事ですがいちいち納得です。
「原発に天変地異のリスク」
「静穏期への過信は危険」とあります。
島村秀紀氏はこう述べられています。
「1世紀に大噴火は4から6回」はありました。21世紀の日本に大噴火が4から5回あっても驚かないとする学者は多いとか。
「地震も同じだ。6400人が亡くなった1995年の阪神大震災まではほぼ半世紀の間。250人を超える犠牲者を生んだ地震はひとつもなかった。」
確かに1946年の昭和南海地震以来の大地震です。
「つまり、たまたま地震や火山噴火の静穏期が続いていた間に、日本は高度成長をなしとげ、多くの原発を林立させたのである。」
「理由はわかっていないが、この静穏期は一時的なものであることは確かだ。長い目で見ると、今までこそが日本列島にとって異常だったのである。
日本史上、あるいは地震学的にわかっているそれ以前の時代を見ても、日本が大地震や大噴火に襲われたことが普通だった。」
「これは日本列島が乗っている北米プレートとユーラシアプレートに、太平洋側から太平洋プレートとフィリピン海プレートが押し寄せてきている。という構造から来るものだ。
世界に地震国言われる国はいくつかあるが。プレートが4つもせめぎ合っているところは日本以外にはない。」
「地球物理学者から見ると、日本列島では、大地震も大噴火も「あって当たり前」のことだ。日本はたまたまの状態を未来永劫に続くものだと思い込んで静穏期を享受してきた。この思い込みは、あまりに危険である。」
最近政府は「脱酸素社会」の切り札として原子力発電を再稼働させ、更に新規の建設までもくろんでいます。災害大国日本という自覚のかけらもありません。
裁判所の裁判官ですら「異常な静穏期」をベースに判決を出しています。今一度謙虚に日本の有史以来の歴史を振り返り、事前対策を進めるべきです。
人間には原発を建設し、運転することはできますが、暴走した原発をコントロールすることは出来ません。災害大国日本には原発は全く不要です。
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