母は受援力(支援を受ける力)の先駆者と思いますね
現在95歳の母(春子)は、11月で96歳になります。現在要介護度3です。アルツハイマー型認知症と診断が下ったのは2008年。認知症13年目のベテランです。
正直母が認知症になり、自分が誰なのか、私を息子としてわかるのか、世話になっている家内のことがわかるのか不安ではありますが、最近は気にしなくなりました。
週に3回通所していますデイサービスでは。「春ちゃん」と職員の皆さんから呼ばれ、アイドル化しているようです。素直に言うことに従い、「はい」という返事も言うし、常に身体介護(トイレ介助や入浴介助)などでは、「ありがとう」を連発しているとか。
母は認知症になる前は結構きつい性格でしたし、言いたいことを言ってしまう(本来言わなくてもいいことを言う性格)でしたが、それはなくなりました。素直な,可愛いお婆さんになりました。母にとりましては認知症が良いほうに転んだのかもしれないです。
3年前に父が亡くなりましたが、父のことはすっかり忘れています。寝室には大きな父の遺影があり、母が食事の時に座る椅子の正面に仏壇があり父の遺影があります。しかし自分から1度も父に焼香したことはありません。父は母のことを亡くなる前に心配しyていましたが、母は父のことを完全に忘却しています。
認知症ではないご高齢の未亡人の方は、ご主人の死を嘆き悲しみ、鬱になる人も多いやに聞きますし、私が知る何人かはそうでした。その点母は落ち込むこともなく「あっけらかん」としています。
家族としての1番の悩みは「トイレの感覚がなくなった」ことです。出かける前にはトイレに座らせて排せつを促します。24時間オムツとパットを着用しています。ニコニコしてすわって便が出ていてつぶれていてズボンまで汚すことは日常茶飯事です。ディサービスでも大変なおせわになっていると思います。
でも母の笑顔と素直さが「受援力」になり、周りの人の支援を得ています。その点はお得な人ではないかと思います。
昔認知症になる前に母に聞いた話があります。実母が幼いころに亡くなり後妻の母が家に入ってきました。母は後妻の母にすぐになつき、父もそれを喜び可愛がってくれたようです。女学校を卒業すると父のコネで高知中央郵便局に入庁窓口業務を担当していたとか。母に聞きますと「そろばんなんかは早くできないので、伝票を後ろの座っている人たちに渡すと瞬時に計算してくれた。逓信講習所を出られた優秀な人たちが後ろに控えていた。」と言っていました。
戦災で自宅も郵便局も焼け、母の父親の出身地の日高村に疎開していた時も郵便局長が職場復帰を促しに来たとか。なんかの事情でそれはならなかったようです。後日見合いで父と結婚し私は旭の借家で生まれました。そしたら母の父親が、離れを母のために建てそこへ一家3人で入居することが出来ました。
母は勉強ができたという話は全く聞きませんが、何故か子供時代から自然体で人の支援を受けることが上手な人だったんでしょう。
東北の人たちが「復興のためには「受援力」(支援を受ける力)が必要ですよ」と言われました。うちの母には天性の「受援力」があるようです。
今の時代「自立」だとか「独立自尊」が正しいと言われることがあります。でも自分の力ではどうしようもないことも世の中多いです。その点母が生い立ちの中で、今の認知所言うの中でも「受援力」(支援を受ける力)があるのだということを再認識しました。大事なことであると思います。
母の写真は、ディサービスでの様子と、はりまや橋商店街サロンでの様子です。のびのびと自然体で楽しそうにふるまっておりますね。見習うところもあります。
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