南海トラフ地震「臨時情報」と地区防災計画
ある人から「地区防災計画誌のコピーをいただきました。矢守克也さん(京都大学教授)の論文「南海トラフ地震「臨時情報」と地区防災計画」でした。
南海トラフ地震の想定震源域は、静岡県から東海、紀伊半島、四国、九州を広域にわたっています。過去の南海地震でも、先に東海地方で地震があり、直後か2から3年後に紀伊半島や四国でも地震が起きました。いわゆる「半割れ」状態で、臨時情報を出すので,該当地区住民は避難を1週間程度してほしい。という趣旨です。
矢守克也氏は、「政府の検討委員会のモデル地区になっている高知県黒潮町でも、情報の名前すら知られていない。」のが現実。「周知が先決課題」と言われています。
次に「両にらみ戦略:不確実な情報の有効活用」が、防災活動の考え方の中で必要ではないかろ矢守克也氏は指摘されています。「日本社会における防災・減災活動は、「普段(平常時)」と「まさか(非常時)」の分離を前提としている。」
「半割れ」状態になったとして1週間程度の避難が必要になるるが、その間に地震が起きる可能性は低い。ですが平常時よりは数千倍も発生確率は高まっています。これをどう位置付け、新たな防災体制をどう構築するのかが課題です。
考え方の中で「被災後のBCP-ASから被災前のBCP-BSへ」という矢守克也さん箸的査定ます。
それは「被害を受けた「後」、いかにスムーズに被災前の状態に復帰させるかではなくて、臨時情報による「両にらみ」のなかで、災害に警戒しながらも。どうやって平常の事業や生活を継続するか、そのための知恵や計画が問われている。」と言われています。
「社会の活動レベルの中道的スローダウン」については、日本社会は「両にらみ」を実現ししつつあると矢守さんは言われています。好例が昨年大阪北部地震時に関西の鉄道会社などが台風接近時に実施した「計画運休」です。台風接近時など各地の鉄道会社でも行われました。
鉄道が運休しますと、災害が迫る中、無理に出勤する必要がなくなります。災害リスクが低下し、会社も休業、「帰宅難民」という大都市特有の現象も解消します。社会実験としては良かったと思いました。
「突発的な発生への対応と一体で」は、臨時情報への対応を真摯にやることで防災対策も向上することは間違いない。
例えば、わが町である高知市二葉町は、2012年6月から、縁あって仁淀川町長者地区と「疎開を前提とした地域間交流」をしています。長者地区の皆さんのお世話で、田植え体験や、稲刈り体験や、お祭りへの参加、長者の皆さんの下知地区のイベントへの参加による住民同士「顔の見える交流」をしてきました。
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/cat43975382/index.html
(仁淀川町と二葉町との交流事業)
まさに「半割れ状態」のときの「疎開先」になりうる地域間交流をしてきました。しかるに高知市も高知県も全く何の支援も調査もしていない。不思議な「やる気のなさ」には、ひたすら呆れるれるばかりです。
高知県や高知市は「机上の想定」だけでなく、わが町の「実践的」な経験に寄り添い、モデル事業として認定し、全県下的に広げていただい者です。
観察するところ「実践力に乏しい」高知県や高知市では、「両にらみ」対策は難しい。知事や、高知市長の指導力が問われますね。
« 第6回見守り委員会 | トップページ | 超高齢者は事前の各種対策が必要です。 »
「二葉町自主防災会行事」カテゴリの記事
- 1・17ミニ追悼式の準備(2021.01.16)
- 阪神大震災26年目の追悼の集い(2021.01.10)
- 事前復興計画事業推進への追い風?(2021.01.09)
- 2021年おめでとうございます!!(2021.01.01)
「南海地震関係」カテゴリの記事
- 阪神大震災26年目のミニ慰霊祭(2021.01.21)
- 阪神大震災26年目の追悼の集い(2021.01.10)
- 事前復興計画事業推進への追い風?(2021.01.09)
- 防災テスト放送をしました。(2020.12.23)
- 地盤カルテで下知は最悪(2020.12.21)
「高知市地域防災推進課」カテゴリの記事
- リードパイプ津波誘導灯(2020.12.26)
- 防災テスト放送をしました。(2020.12.23)
- 昭和小津波避難ビル巡り(2020.12.16)
「国政との関連」カテゴリの記事
- 地区防災計画が「見える化」している黒潮町(2020.12.18)
- 防災爺の独り言(2020.12.17)
- 内閣府地区防災計画紹介動画の撮影(2020.11.16)
- デジタル社会の道は遠い(2020.11.04)
- 山岳高速道路は大災害時にすぐに仮復旧えきるのだろうか?(2020.10.19)
「仁淀川町ー二葉町との交流事業」カテゴリの記事
- 防災爺の独り言(2020.12.17)
- 今年初めての長者です。(2020.12.10)
- KIPの下知地区研修に1部関わりました。(2020.11.25)
- 読売新聞・四国版に防災訓練の記事が掲載(2020.11.21)
「二葉町町内会」カテゴリの記事
- 二葉町町内会資源・不燃物ステーション(2021.01.08)
- 2020年の重大なニュース(2020.12.31)
- 2021年おめでとうございます!!(2021.01.01)
- 紙媒体の二葉町防災新聞(2020.12.15)
「高知県危機管理部」カテゴリの記事
- 濵田高知県知事と防災(2020.12.03)
- 自助・共助・公助というのなら権限と予算も必要です。(2020.10.20)
- 7年ぶりの岡村眞先生・南海地震講演会(2020.10.07)
「下知減災連絡会」カテゴリの記事
- 高知市下知地区でのでのミニ慰霊祭を新聞報道いただきました。(2021.01.22)
- 阪神大震災26年目のミニ慰霊祭(2021.01.21)
- 1・17ミニ追悼式の準備(2021.01.16)
「高知県土木部」カテゴリの記事
- 県道改良工事でテトラ投棄?(2020.12.29)
- どうして開口部を県は塞ごうとするのか意味不明?(2020.12.20)
- 濵田高知県知事と防災(2020.12.03)
- 「浸水しない家」に期待したい(2020.09.13)
- 昭和南海地震の写真(2020.08.30)
「高知市政」カテゴリの記事
- 防災テスト放送をしました。(2020.12.23)
- 昭和小津波避難ビル巡り(2020.12.16)
- 第9回市民とつくる防災フォーラム(2020.12.09)
「ユニバーサルな防災・減災対策」カテゴリの記事
- PCR検査のDMが来ていました。(2021.01.25)
- 情報伝達と伝承の難しさ(2021.01.24)
「内閣府地区防災計画」カテゴリの記事
- 事前復興計画事業推進への追い風?(2021.01.09)
- 地区防災計画が「見える化」している黒潮町(2020.12.18)
- 内閣府地区防災計画紹介動画の撮影(2020.11.16)
- 二葉町総合防災訓練・報告書(2019.12.28)
- JICA研修生の皆様が来訪(2019.12.06)
「市民目線での減災対策」カテゴリの記事
- PCR検査のDMが来ていました。(2021.01.25)
「事前復興計画に策定作業」カテゴリの記事
- 事前復興計画事業推進への追い風?(2021.01.09)
- 地区防災計画が「見える化」している黒潮町(2020.12.18)
- 防災爺の独り言(2020.12.17)
- 事業所での防災への備えの重要性(2020.11.11)
「危機管理の意識」カテゴリの記事
- 情報伝達と伝承の難しさ(2021.01.24)
- 高知市下知地区でのでのミニ慰霊祭を新聞報道いただきました。(2021.01.22)
「下知地区防災計画」カテゴリの記事
- 事前復興計画事業推進への追い風?(2021.01.09)
- 下知地区の特性をよく理解し、生活しましょう。(2020.12.25)
- 地区防災計画が「見える化」している黒潮町(2020.12.18)
- KIPの下知地区研修に1部関わりました。(2020.11.25)
コメント