「災害からいのちをまもりつなぐ優しい生き方へ」
2019年7月13日(土曜日)は、高知市丸池町の勤労者交流館2階研修室にて「災害からいのちをまもりつなぐ優しい生き方へ」(講師温井恵美子さん・防災士・福祉コミュニティ協会上級コーチ)の講演会と、ワード・カフェが行われました。
すずめ共同作業所・家族会(入交智子代表)の主催、丸池・東弥生防災会(吉本豊道会長)共催にて行われました。
最初にすずめ共同作業所・家族会の入交智子代表が開会の挨拶をされました。
「100年に1度、1000年に一度の災害が起きても、あきらめず、みんなでできることがあればやり続けること。支援を受けるだけではなく、私たちにもできることをやりましょう。その1つが利用者カード(SOSカード)です。
今日は温井先生の話を傾聴し、地域の皆さんとも連携して、ともに考え、できることから考えましょう。」と言われました。今日は地域アドバーサーとして大槻知史高知大学地域協働学部准教授と、山本美咲さん(防災士・地区防災学会会員)も来られていました。すずめ協働作業所の職員や父兄会の人達、アドバーサーや丸池・東弥生防災会、下知地区減災連絡会の坂本茂雄事務局長や高木妙(弥右衛門部会事務局長)や高知市地域防災推進課下知担当職員の中山瑞希さんも参加しました。20人が参加しました。
温井恵美子さんは「すぐにでも始められる、身の丈に合った防災減災の取り組みへの知恵を集めましょう。」と呼びかけられました。
「従来の消防・防災計画に加えて、住民各位の防災のレベルの向上が必要です。福祉事業は継続しなければならないので、福祉事業施設のB・C・P(事業再構築計画)策定が必要です。
地域との連携と支え合いで、福祉事業所での地域貢献をしましょう。」と言われました。」温井さんのお話は、多岐にわたっています。私なりに印象に残った事柄を記述します。
「従来大阪には特別支援学校に対しては、防災支援計画がありませんでした。それではいけないということで行政に働きかけて、現在46ある特別学級でB・C・POを策定しました。」
「皆さんの持ち歩きバックの中に、エチケット袋(ビニール袋)を入れておきましょう。昨年の大阪北部地震で4時間も電車が止まりました。空調も止まったので、嘔吐した人が出ました。他にも出ました。
ビニール袋があればその中で処分し、臭いが分散しませせん。必需品ですね。」
「大阪北部地震ではブロック塀が倒れて2人亡くなりました。1人は道路のグリーンベルトを歩いていた児童が小学校のブロック塀が倒れて亡くなりました。
もう1人は地域で児童の見守り活動をされていた70歳代の男性。報道されなかったのは民間住宅のブロック塀が倒れ、巻き込まれて死亡したのです。震度6弱の揺れで倒れました。
ブロック塀が倒れ、通行人が死亡された場合は、遺族から億単位の民事訴訟が起きます。ブロック塀を撤去し、フェンスや生垣にしましょう。」
「大阪府堺市ではブロック塀を撤去する場合の補助金を出しています。撤去後生垣にお茶の木を植えます。堺は千利休にゆかりがあります。お茶の木の選定するときに、地域の子供たちがお茶摘みをして、そのお茶を活用して地域の高齢者が子供たちに、お茶の作法を教えることもしています。とてもお洒落な取り組みです。」
「今でも屋根の修理は2年以上待ちです。正しくブルーシートを屋根に貼る作業の指導を、5万円で私たちのNPOがしています。事前に講習を受けることも必要です。」
「阪神大震災の教訓は、寝室には背の高い家具は置かないことです。」
「高知市で1番しないといけないことは、郊外の浸水地域(下知や潮江)以外の地域の家屋の耐震化です。」
「地域の避難所運営、福祉避難所の運営も地域でやれる力をつけないといけないです。市役所に苦情を言うだけの市民が多いと復旧・復興が遅れます。市役所職員をストレス・フルーにすることが復興がはやくなります。」
「福祉避難所ですが、介護ベットは必要です。リクライニング・ベットです。それがないと1人の要支援者に3人の介助者が必要になるからです。」
「避難所を楽しい場所にする。ストレス・フリーな場所にすることを心掛けてください。」
「知的障害と認知症はよく似ています。徘徊したり、声を張り上げたりするのは、意味があります。みんな大規模災害は怖いのです。また自宅とは違う環境に連れて来られて慣れないこともあります。」
「障害を抱えている子供を育てている保護者は、災害時対応のエキスパートになれます。ならないといけないです。」
お話を聞いていまして、社会と同じように、多様な人たちの要望に的確にこたえることのできる地域の避難所運営にならないといけないと思いました。
「母乳を飲んでいる子供は母乳でないと駄目です。飲めないと脱水症状を起こし危険になります。授乳スペーズも避難所にきちんとつくるべきです。」
「粉ミルクも明治は明治、森永は森永です。銘柄指定になります。」
「ラインが繋がって、安否確認が出来た事例がありました。連絡手段は多様化しないといけないです。」
「障害持っている人の家庭は、個人備蓄をすべきです。ただ家が被害を受けやすい地域にある場合は避難所に個人備蓄品を置く工夫も必要でしょう。3日分、9食分が必要です。」
「重度の障害者は高層マンションには住まないほうがいいです。災害時停電になります。階段昇降が出来なければ命にかかわります。」
「障害者も自助努力も必要です。自宅の部屋から玄関口までは出ていきましょう。玄関前まで行けば近所の人たちが支援してくれます。支援を受けるためには地域での交流が大事です。」
「大阪府守口市には、地域見守り隊があります。1人暮らしの高齢者宅へメンバーが何回も訪問し声がけします。人のつながりが大事である事例です。」
「災害時には学校が避難所になります。同時に子供たちが教育を受けられる環境を整えることを事前に対策をすべきです。」
多岐にわたるお話でした。書き留めた事柄は、「断片」です。私の聞き取り能力に問題があります。
お昼ご飯は、非常食を参加者で食べました。お湯を注ぐだけで、5分から15分でレトルト・パウチ袋に入っている非常食が食べられます。五目御飯やパスタやドライカレーなどもありました。非常食のミレービスケットもありました。
午後からは、ワード・カフェ(ワークショップですが、場所替えをして多くの人の意見に触れる。ルールは批判をしない。他のテーブルの意見を評価します。)をしました。
温井さんがテーマを出しました。大津波で自宅にいた祖母と知的障害のある高校生の孫が亡くなりました。自宅から20M先には高台がありそこへ避難すれb助かった命でした.
なにが「問題」だったのか。どういう対策をすれば助かることができたのか。テーブルでポストイットに1項目を書き、模造紙に貼り付けて意見交換しました。
自己紹介したり意見交換をしたところで、1人を残し他のテーブルへ移動。そこでの意見交換します。20分ぐらいして、元の席に戻ります。最後に自分のテーブル以外の席を回り、いいと思ったまとめにシールを張り付けて各テーブルを巡回します。
それで貼ることで、客観的に意見集約が出来ます。
久しぶりにワード・カフェをしましたがいいですね。ルールに「意見を批判してはいけない」というのが1番いいです。防災活動も熱が入りますと、つい相手を批判したりしうてしまいます。それをしますと地域コミュニティがぶっ壊れ、後味の悪さだけが残りますね。防災活動は後退します。
4時間の講演とワードカフェでした。講師の温井恵美子さん、段取りいただきました入交智子さん、情報連絡をいただきました吉本豊道さんありがとうございました。
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