社会的弱者は、災害時の弱者でもあります
弱者に寄り添う社会になるべきです。
2019年5月29日の日本経済新聞の1面のコラム「春秋」には感心しました。
筆者は「ハンセン病の元患者の隔離や障害者への強制不妊手術が基本的人権を原理とする現行憲法でかくも長く続いたのか」を問いかけている。
5月28日に仙台地裁で、知的障害を理由に、不妊手術を強いられた女性が国を相手に損害賠償請求を求めた訴訟の判決が出ました。裁判官は「旧優生保護法は憲法違反。賠償請求は却下。請求期間が過ぎたから(20年とか)」とのことでした。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201905/20190528_13041.html(河北新報記事)
原告は勇気を振り絞って提訴に踏み切ったと思います。先日関連番組をテレビで見ていますと「あなたたちは生まれてきたことを恥と思いなさい。」「生まれてきてごめんなさいと言いなさい。」と周りから言われ続けてこられたそうです。優生保護法は平成時代にようやく廃止されましたが、根強い差別感情が周辺にありました。
「原告はさまざまな理由で声を上げることが出来なかった。いわば、「弱い個人で」である。
「周縁の弱い者こそがリアルな個人であり、そうした個人像に立脚した経験的な人権論を構成する。」ことが必要だ。と憲法学者の棟居快行さんは自戒をこめて発言されています。
「日本の思想」の中で丸山真男氏は。「権利の上に眠る者」という記述をしていました。
「金を借りて催促されないことを言いことにして、ネコババをきめこむ不心得者がトクをして、気の弱い善人の貸し手が結局損をするという結果になるのは随分不人情な話のように思われるけれども、この規定の根拠には、権利の上の長くねむっている者は民法の保護に値しないという趣旨も含まれている、というお話だったのです。
この説明にわたしはなるほどと思うと同時に。「権利の上にねむる者」という言葉が妙に強く印象に残りました。
いま考えてみると、請求する行為によって時効を中断しない限り、たんに自分は債権者であるという位置に安住していると、ついには債権を喪失するというロジックの中には、1民法の法理にとどまらないきわめて重大な意味がひそんでいるように思われます。」(日本の思想・丸山真男・著(P154)
http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-bde8.html(権利の上に眠る者を讀んで)
確かに「強者の個人」の主張の様に思えますね。実際に差別や偏見、同調圧力などで「声をあげられない人たち」への「思いやりと」「配慮のない」裁判所の判決のように思えますね。日本経済新聞もなかなか鋭いコラムを書いていると感心しました。
« 下知C・C総会・懇親会 | トップページ | ビーチクリーンを夜須でしました。 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 5月3度目の海の散帆(2023.05.28)
- 仮想通貨の泥棒集団北朝鮮(2023.05.27)
- 下知コミュニティセンター運営委員会総会 懇親会(2023.05.25)
- 5月21日の夜須の海(2023.05.23)
- 核融合発電の実現性は?(2023.05.22)
「国政との関連」カテゴリの記事
- 徳川家康と習近平の共通点と相違点(2023.05.18)
- 日韓経済連携が順調と言いますが…情けない(2023.05.17)
- 映画センキョナンデス&トークライブ鑑賞しました。(2023.05.16)
- 英国王室の多様性志向と苦悩(2023.05.11)
- 4・28沖縄デー(2023.04.29)
「報道関係」カテゴリの記事
- 映画センキョナンデス&トークライブ鑑賞しました。(2023.05.16)
- 学校図書室問題はとても重要(2023.05.07)
- 坂本茂雄さんの説明は的確です。(2023.04.05)
- 3・11ミニ慰霊祭と防災講話(2023.03.13)
- 原発60年超可能などありえない!!(2023.02.16)
「ユニバーサルな防災・減災対策」カテゴリの記事
- 二葉町防災新聞・紙媒体(2023.05.26)
- あと最長30年の短い生涯を全力で生きる(2023.05.08)
- 混戦の高知市議選(2023.04.19)
- 高木妙さん後援会特集号(2023.04.15)
- 防災の先進地・今治市防災士会の行事案内です(2023.04.09)
コメント