三陸から高知への伝言
2019年3月16日(土)が「シンポジウム 三陸から高知への伝言 津波体験の伝承ネットワークづくり」(主催高知大学防災推進センター)が高知城ホールで開催されました。
パネリストは佐藤健一さん(元・気仙沼市危機課長・現・アジア航測株式会社技師長)、後藤一麿さん(南三陸町文化財保護委員長・語り部ガイド)、原忠さん(高知大学理工学部教授)、司会は新納紘(高知大学地域協働学部教授・防災推進センター)でした。
1時間遅れで参加出来ました。佐藤さんは東日本大震災時、行政の最前線で震災対策に奔走されていました。後藤さんは南三陸町で震災直後から、住民支援に活動されていました。
震災から8年経過していますが、話される言葉には現実味があり、聞いていて身につまされる内容でした。印象に残った言葉を記述します。(質疑応答面も含めます。)
「災害でコミュニティはばらばら。75戸の集落では、再建したのは37戸でした。買い物も10キロさき。医療機関も遠い。役所側が住民の意見を聞かなくて再建を急いだ結果です。」
「南三陸町では25%が人口流出しました。戻ってきません。」
「震災前はストック在庫を圧縮し、流通在庫で食料などは何とかなると思っていましたが、道路が寸断されますとそうはなりませんでした。見通しが甘かったです。」
「命をつなぐ食材は確保はしていました。しかし女性用の衛生用品や乳製品や液体ミルクへの確保を最初はむけていました。」
「個人の備蓄は必要。企業の備蓄も必要です。」
「震災前に地域で600回ワークショっプをしました。そのなかで要支援者対策もすることができました。」
「魚市場の上に展望スペーズをつくり憩いの場にしました。市民がいつも親しんでいただくことで、震災時に多くの人が駆け上がり、車でも来られ市民の命の多くをつなぎました。」
「1人の要介護者に対して、1人の支援者が必要です。」
「避難所で避難者は仕事がなくなると要介護者になり、認知症になります。そこでまわりに畑を作って野菜を植えました。そうしますと皆早起きしてて世話をするようになり、元気になりました。料理もみんなでこしらえました。」
「事前対策は必要です。三陸は埋め立て地を除けば地盤が固い。高知市は軟弱地盤ですj。揺れでも大きな被害が出ます。家屋の耐震化は必要です。」
「常に高い場所に逃げるルートをいくつか想定しておくことです。都市づくりの中で、防災、街づくりの視点をいれることです。」
「避難した高台に小屋なり、非常備品を置くこと。」
「避難者はお客であってはならない。自分たちで運営しないといけない。」
「リーダーのなかには公平でない人もいます。でも最初は動ける人で運営します。そのあと民主的に運営体制をつくります。」
「ボランティアをさばき、コーディネイトする組織は必要です。NGOのシャピイに支援いただきました。最初から国際NGOの連携が必要です。」
「物資の集積所は必要です。運搬するのは自衛隊や宅配業者です。集積場所の管理や仕分けも大事であり宅配業者に協力いただきました。」
「車避難できるのであればそれに越したことはない。要支援者は載せられますから。高台に駐車スペースもかまえないといけない。」
「人間は感じる力がある。スマホをいじり情報を取ろうとした人たちは逃げ遅れました。大きな情報はスマホで取れるだろうが、身の回りの危険は自分で感じることです。」
「高知県内沿岸部各地を見せてもらいました。中途半端です。高台は階段で逃げるしかないです。車でも逃げれたらより多くの要支援者が助かります。ただしルールをこしらえ、乗り合いで避難すること。」
資料では気仙沼市では震災後は13%(1万人)の人口減。南三陸町では4500人減で25%の人口減になりました。厳しい現実がありました。
終了後懇親会も出てお話をしました。佐藤健一さんは、坂本茂雄さんや山中晶一さんと知り合いだとか。後藤一麿さんは村山和彦さんと知り合いだとか。お2人には初めて会いましたが、知り合いがおられました。世間は狭いです。
いろんな教訓を聞くことが更に聞くことができました。遠路はるばるありがとうございました。
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