尾﨑正直高知県知事の講演会を聴講しました。
2016年4月30日に土佐経済同友会(吉澤文治郎代表幹事)主催の講演会と、シンポジウムがありました。「被災者の健康維持対策と震災前対策に関する提言―平時である今からやっておくべき減災対策」というテーマでの講演会とシンポでした。
第1部は、2004年の中越地震で当時山古志村村長であった長嶋忠美氏(現・復興副大臣・衆議院議員)の講演会でした。第2部は長島忠美さん、高知県知事の尾﨑正直さん、土佐経済同友会代表幹事の吉澤文治郎さんの3人によるパネル・ディスカッションでした。
その折、尾﨑正直高知県知事が「第3期高知県南海トラフ地震対策行動計画について」という表題で説明をしました。会場の大画面を利用し、パワーポイントにまとめられた資料で知事は要点を話しました。
冒頭にL2想定(東日本大震災規模のM9でのプレート型地震)ですと、
「想定死者数32万2千人。経済被害額220兆円。30都道府県の750市町村が被災。全国民の53%が被災し。製造品出荷額の被害は189兆円で、66%となります。大変な災害になりうるということを頭に入れて置いて下さい。」と説明されました。
「高知県はどうなのか。全県土で震度6弱以上。7の地域もあります。揺れも3分近い。沿岸部は髙い津波はすぐに襲来します。死者数は42000人。全壊。消失建物は153000棟。負傷者数は360000人(うち重症者20000人)。避難者は438000人。」断水人口は575000人(給水人口の82%)、停電軒数は521000軒(停電率99%)です。」と尾﨑正直高知県知事は淡々と説明されます。
とんでもなく恐ろしい予想データではありませんか。高知県庁もその予想される惨状に手をこまねいているわけではないと尾﨑正直高知県知事は言います。
「県民の防災意識は熊本地震の直後だけに高まり、防災備品が品切れになることもあります。しかし全体としては意識は低い。県としてはおどろろしい南海地震対策の動画を制作しているので、近くに公開し県民の防災意識の向上を図ります。」
「地震対策の1丁目1番地は住宅の耐震化の促進です。従来は1.0にならないと耐震補強の補助金を出しませんでした。90万の補助があっても全体で2000万円かかる。それでは出来ないと言う声を聞きました。
0・7(すぐには倒れない)補強をすることにも補助金を出すことにしました。筋違い1つ入れるだけで家は倒れにくくなりますから。」
「また県は第3期行動計画で重点的に取り組む8つの課題を示します。
「命を守る」対策の徹底
①住宅の耐震化の加速化
②地域・地域での津波避難対策の実効性の確保
「命をつなぐ」対策の掘り下げ
③避難所の確保と運営体制の充実
④地域に支援物資等を届けるためにルートの確保
⑤前方展開型による医療救護体制の確立
⑥応急期機能配置計画の策定
⑦高知市の長期浸水区域内における確実な避難と迅速な救助・救出
共通課題
⑧震災に強い人づくり 県民への啓発と充実強化」を示しています。
このあたりは今回尾﨑正直高知県知事が「やる気」になっているなと感じました。
「怪我された県民を医療センターへ搬送するなど到底できません。被災地に野戦病院的機能を持たせ、どんどん救命治療を行えるようなしくみづくりをしたい。」とも言われました。
海抜0メートルの市街地である下知地域の住民からすれば、「高知市の長期浸水区域内における確実な避難と迅速な救助・救出」にどうしても関心が向かいます。
13万人とも言われている浸水エリアの市民。誰が、いつ、どのように、救出しmどこの度pライエリアの避難場所へ連れていかれるのか。
それも地域コミュニティや町内に配慮したやり方を貫いていただけるのか。長島忠美さんの講演では「地域コミュニティの維持と育成」が救援支援でも復興でも1番役に立っていたと言われていました。
そういう配慮は必要です。防災講演会のプレゼンターとしては、尾﨑正直高知県知事はわかりやすい言葉で、的確なプレゼンテーションをされていました。あの調子で霞が関の国家官僚相手に実施し効果を上げているのではと思いました。
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