名取市の追悼式と格井直光さんにお会いしました。(その3)
2016年3月11日は、午後から名取市閖上(ゆりあげ)の日和山からタクシーで、名取駅前に向かいました。途中歩道橋を超えるあたりから、更地がなくなり当たり前に住居が立ち並ぶ風景になりました。名取市役所付近、名取駅付近は当時も全く津波の被害はなかったようでした。名取駅前から会場までシャトルバスで行きました。
午後2時半開始の名取市追悼式(名取文化会館)へ参列しました。入口で記帳し着席しました。会場舞台正面には大きなスクリーンがあり、東京での天皇・皇后両陛下が出席される会場の中継がありました。
名取市長の弔辞や、村井県知事の弔辞(代読)に続き、元山古志村村長で現在は復興副大臣の長島忠美氏の弔辞がありました。
「新潟中越地震の時に、苦渋の全村避難を決断しました。その時集落のコミュニティ維持を心がけ、避難所生活も仮設住宅生活もコミュニティ単位で行いました。神戸の皆さんの助言があったからです。そして2年後に村へ戻ることが出来ました。」
長島さんは、実践者であり言葉に説得力がありました。
また遺族代表としてスピーチをされた高橋善夫さん(震災前住所は閖上6丁目)は、「復旧・復興事業に置いても隣近所や地域のコミュニティが何より大事であると思います。孤立している人はいないか今でも仮設住宅を見守りしています。」と言われていました。やはり地域の繋がり、ご近所力が何より大事です。高橋さんのお話を聞いてそう思いました。式典に参加しますと真摯な追悼する気持ちになります。
会場を埋め尽くした名取市の人達のそれぞれの想いを感じることが出来ました。
追悼式典の後に、昨年お会いした閖上復興便りの編集長である格井直光さんに名取市役所前の広場でお会いしました。閖上地区での追悼式に参加され、名取市のキャンドル・ナイトを開催されるとか。
私は「昨年6月に閖上の日和山に来ました。土地のかさ上げが進んでいましたので、皆さんもう住宅を建てられていると思っていましたが・・」と聞きました。
格井さんは「当初は27年度に住宅着工の予定でした。計画は遅れ気味になっています。地域の合意形成に少し時間がかかってしまったこともあります。」と言われました。皆震災後の大変な状況の中で、地域の再建、住宅の再建のお話をしていくこと自体が大変であったと思います。他人事とは思えませんでした。
高知市下知地域に引き付けて考えるに、山古志村のように「町内単位」の避難所生活、仮設生活を強く地域の意志で行政側に要求しないと駄目であると思いました。長島村長はそれを実行されたのでしょう。状況がひっ迫しますとなかなかそれが出来ないと思われます。
下知は長期浸水すると言われ、今の事例でも「どこのドライエリアに行くのか」「仮設住宅はどうなるのか」のめどすらわかりません。空いてるからという理由だけで、下知地域の二葉町は香川県へ。若松町は鳥取県へ疎開避難することも考えられます。そんな状態で短期間で地域の合意形成など出来る筈はありません。
盛り土嵩上げとなりますと嵩上げ工事だけで最低5年はかかります。インフラ整備に2年,住宅建設に1年はかかります。まして地盤が沈下し、浸水しておれば、一体何年かかるのか想定すらできませんから。もっと時間はかかります。
名取市役所の献花台へも行きました。記帳をして献花しました。こじんまりした献花台でした。3月11日はあちらこちらで追悼をされているのであると思いました。
もう5年も経過した、まだ5年しか経過していない。人それぞれに思いがあるでしょう。高知市に居ますとテレビや新聞など報道機関の中でしか東日本大震災は意識されていません。献花後名取駅へ移動し、列車で仙台に向かいました。
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