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2016年3月21日 (月)

地区防災計画フォーラム2016-IN仙台(その6)


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 2016年3月12日は、内閣府の「地区防災計画フォーラム」です。会場は仙台市博物館です。それぞれの議会開催中ですが、週末の休みを利用して地元代表の坂本茂雄さん(県議)と高木妙さん(市議)も当日朝駆けつけてくれました。前日より高知市地域防災推進課の山中晶一さん、山本美咲さんたちもサポートしていただいています。

 1市民の私が地区防災計画フォーラムの発表者。とても強力な支援者の皆様です。会場へ入りますと、昨年石巻市でお世話になり、高知市での講演に来ていただきました今野清喜さん(湊東地区まちづくり協議会代表世話役)が奥様と一緒に来場していただきました。ありがたいことです。
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 「あなたのブログを見て来ました。事前に連絡しようかなと思いましたが、そのまま来ました。」とのことでした。とても強力な援軍の登場です。

 今野清喜さんとの昨年の意見交換と講演会の様子のブログ記事です。

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/…/…/07/post-8315.html

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/…/…/10/post-6b11.html

私としては以下の内容のことを発言したくあらかじめまとめていました。4枚のまとめと、配布資料を参考資料にしながら説明するつもりでした。

(1)まずは自己紹介します。

 私は西村健一と申します。年齢は62歳です。小さな会社を経営しています。会社事務所・倉庫と自宅は同じ高知市下知(しもじ)地区にあります。家族は私と同年齢の家内と、96歳で慢性腎不全の父(要支援2)と、90歳の母(認知症。介護3)の4人で暮らしています。子ども2人は社会人となり家を出て生活しています。

 高知市下知地区の自己紹介をします。
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 高知市中心の播磨屋橋から東へ1キロの市街地。下知地区の世帯数は平成22年度で8200世帯、人口は1万6000人。全域が海抜0メートル、軟弱地盤で河川や海に隣接しています。自然地形の高台は皆無。事業所や商業施設、学校や保育所、病院、高齢者施設もあります。

 1946年の昭和南海地震では下知地域全域が1メートル地盤沈下し、長期浸水状態に。1970年の10号台風でも大雨と高潮で全域が水没しました。

 雨水対策は大下水工事と排水ポンプ場設置で時間雨量77ミリに対処でき、浸水しなくなりました。しかし南海トラフ巨大地震では、地盤沈下と浸水被害が予想されるので、経済的に余力のある企業や個人は高台地区に移転し、下知地域では空き地が増えています。

 想定される南海トラフ地震の震度は7.全域が海抜0メートルで海に隣接した軟弱地盤。自然の高台は皆無であり、避難場所はビルしかありません。70年前の昭和南海地震でも甚大な被害と浸水被害、長期浸水した地域です。地震と津波で大きな被害が予想されます。

(2)下知地区の取り組みと事前復興計画の必要性
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 都市部の市街地で、単位自主防災会組織の結成も2007年頃からでありました。町内会、マンションをベースにした単位自主防災会の連絡組織として2012年10月に下知地区減災連絡会が16の下知地区の自主防災会が参加し結成されました。

 主な活動内容としては

防災講演会・防災セミナーの実施

*2年前に住民と市役所が協働して「昭和小校区津波避難計画」を策定しています。

防災訓練(情報伝達・炊き出し訓練・避難所開設訓練・避難所運営訓練の実施

防災世帯調査の実施(自己申告制。病歴・介護歴・服薬情報・緊急時連絡先・有資格)

*昭和小学校の防災学習への協力と連携。(若い世代との連携)

マンション防災力強化の取り組み(マンションに避難所機能を持たす)

疎開を前提とした他地域との連携と交流。(仁淀川町・今治市など)

 下知地区では、「地区防災計画=事前復興計画をつくる必要性」があります。

〇南海トラフ巨大地震は今後30年来に70%起きると予想されています。

〇家屋の倒壊、浸水。津波、地盤沈下、長期浸水は必ず起きます。

〇被災直後に、まちづくりを考える余裕はない。(未だにいつドライエリアにいけるのか。どこへ避難するのか、いつ戻れるのか、いつ浸水が解消されるのか行政側より明確な回答はない。)

〇あらかじめ被災後のまちづくりを考えておくこと。事前復興計画が下知地区では必要です。

〇復興が遅れますと、若い人たち、現役世代が下知地区から出て行きます。戻って来ません。

(3)下知地区防災計画の策定(その1)
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 下知地区防災計画は3つの要素から出来ています。

*「命を守る」(揺れや津波から身を守ること)

*「命を繋ぐ」(長期浸水地区での避難所の開設・運営・避難生活全般の管理)

*「生活を立ちあげる」(速やかな復旧・復興のための合意形成が必要)

 下知地区は、既に2年前に「昭和小校区津波避難計画」を策定しています。
 アドバイサーの鍵屋一さんには、住民の合意形成を行うためのワードカフェを4回ご指導いただきました。参加者が、テーマに沿って自由に意見を出し合い、集合知を紡ぐことで、意見が活発化し、前向きな提案が数多く出ました。

●第1回目検討会(都市復興を考える)平成27年9月
 被災後のまちづくりについて

●第2回検討会(生活復興を考える)平成27年11月
 高齢者・現役世代・子供たちの課題

●第3回検討会(復興のコンセプトを考える)平成27年12月
 事前復興のコンセプトについて

●第4回検討会(下知地区が幸せになる物語を考える)平成28年1月
 コンセプトを達成するための幸せになる物語

(4)下知地区防災計画の策定(2)

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 下知地区防災計画では、住民発意の事前復興計画「あるべき下知のまちづくり・しあわせになる物語」を議論し、住民合意を継続して目指しています。津波や、浸水、地震に強いまちづくりを広範な住民と行政職員とで議論をしてつくりあげていきます。

 復興計画のコンセプトイメージ

 「子供たちが伸び伸びと遊べる、どこか懐かしいまち。下知」
「みんなが考えた 幸せになる物語」

→地域コミュニティの再構築と創造がともなうこと。

◎自分たちがつくった事前復興計画として、魂(意欲)に入った仏(計画)とします。

◎より多くの地域住民の参加を募り、引き続き検討を行い、合意形成を目指します。

◎個別計画(命を守る、命を繋ぐ、生活を立ち上げる)を策定を進めます。
 時間があれば、こういうことを言いたいです。

 8年前から交流のある神戸市長田区鷹取東地区のリーダーの石井弘利さんはこう言われました。

「住民側は集まって、まちづくり協議会をこしらえて、地域の要望を役所に言うことや。言わないと何も始まらん。それをせんと文句ばかり言っても何も変わらん。

 住民側も勉強せんといかん。役所に対抗するには勉強が必要や。地域の絆を強めて、地域からの要求を聞いてもらうことや。それにはメンバーには役所の人にも入ってもらい、一緒に地域づくりをやっていたらえいと思う。

 いずれにしろこの地域は南海地震が来るのだから、その時に困らないように、地域の地盤のかさ上げをするとか、耐震地盤をこしらえるとか、耐震高層住宅を建てるとか地域の要求を行政側に出すことや。それを地道にやっていくことです。」

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/…/…/06/post-977a.html

(石井弘利さんのご冥福をお祈りします)

 昨年宮城県の石巻市、東松島市、名取市を訪問し、住民の皆さんと交流しました。そのなかでいちはやく集団移転され、自宅や職場を再建されておられました東松島市矢木西立沼地区まちづくり協議会の皆様は、住宅の移転と仕事である農業の再建いちはやく成し遂げられています。

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/…/20…/07/22-8d88.html

 (東北被災地興隆ツアー2日目 2015年6月21日)

 地域の合意形成が早く、行政側と共同して移転計画を練り上げたことが大きいのではないかと思いました。わたしたちも「下知地区事前復興計画」をこしらえます。可能なら事前に事業のいくつかは着手し、震災対策、津波対策を行いたいものです。
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 と言う事でしたが、何度練習しても10分以上かかってしまい4分間でのプレゼンテーションは無理であることがわかりました。

 とは言え、断片となりましたが、4分間で上記の主旨の「見出し」部分は述べたと思います。自己評価としては頑張りましたが75点と言うところです。

 休憩時間に、参加されておられた宮城県亘理町(わたり町)の自主防災会の会長さんが「あんたらの町も大変だね。私らの町も2011年には津波にやられ大変だった。救命胴衣を着用していた人は助かった事例がありました。是非実行されてください。」と言われ、当時の新聞の切り抜きのコピーをいただきました。

 すべての発表が終わった後の総括としてアドバーサーの国際エメックスセンター事務局長 川脇康生さんは「みなそれぞれの地域の特色が良く出ていた発表でした。特に高知市下知地区は、事前復興計画づくりを議論しているということで先進的な取り組みを評価したい。」と言っていただきました。終了後川脇さんと意見交換しましたが、「大災害後の事後復興事業は、地域の合意形成がとても難しいので良い試みですね。」と言っていただきました。
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 また地区防災計画を立案された内閣政策統括官の方も「高知市下知地域の皆さんの頑張りは良くわかりましたよ。」と言っていただきました。これも地元下知地域のみんなの頑張りの結果です。全国フォーラムの発表者、プレゼンターとしては明らかに役不足でしたが、地区防災計画に取り組んできた内容(報告書)などで、関係者各位の高い評価を得ることが出来ました。
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(内閣府の中丸さんが休憩時間に「津波避難ポーズ」を実演していただきました。
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 次年度は内閣府のご支援は受けられませんが、下知地区の私たちは独自高知市役所の支援も受けながら下知地区防災計画=事前復興計画(しあわせになるまちづくり)を形にして、盛り上げていく決意です。

フォーラムの関係者の皆様ありがとうございました。大変勉強になりました。
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