地元主体で事前復興を!!
2016年1月28日の高知新聞夕刊1面。なんと白髪のお爺さんが写真に出ています。
中学時代の恩師のM先生から電話がありました。
「新聞にあなたの写真が大きく出ていますよ。地域で活躍しているようで嬉しい。ご両親の面倒も見て大変やのに頑張りゆうね。」と言われました。
確かに8年前に父が脳血管障害で倒れ、手術で延命したものの、後遺症で慢性腎不全になりました。同時期母がアルツハイマー型認知症になり、生活は一変しましたから。出来ることは小さな商いと超高齢の両親の介護ケアと、300M四方の町内の地域防災活動です。
ただ高知市下知地域はとても条件が悪い。繁華街に近く、国道56号線と国道32号線が地域内で交差し、高知駅にも高知自動車道路のインターにも高知空港にも近い利便性があります。反面下知地区全体が海抜0メートルで海に隣接しています。
特に居住している二葉町は、東は浦戸湾、西は新堀川、南は堀川・鏡川、北は江ノ口川に囲まれた「海抜0メートルの島」なんです。自然の高台(山)はありません。
70年前の昭和南海地震では地盤が1メートル沈下し、地域に入り込んだ海水に3か月間浸水したと聞いています。地盤も弱く揺れも震度7になるだろうと言われています。生きのびる(いのぐ)にはとても難しい大変な地域に住んでいます。
3年前に阪神大震災で壊滅的な被害を受けた神戸市長田区鷹取東地区の商店街振興会会長の石井弘利氏に下知に来ていただき講演をいただきました。
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/2-4326.html
「わしらは地震なんぞ来るとは全く思わんかった。着の身着のままで焼き出された。昨日一緒に飲んでいた仲間が家の下敷きになり助けを呼んでいたが、わしらは軍手1つ持ってなかった。火が迫り逃げた。仲間が大勢亡くなりました。
地震から半年して生活再建のめども立たんうちに市役所が来て再建計画ができたから判子ついてくれと来た。わしらは何もわからなかった。やむなく判子付いたら、駅前には高層マンションだらけになり、下町の長田やなくなった。それからや区画整理事業の勉強を始めて市とやりあったのは。」
「長田では市役所主導の再開発ビルが建ちました。家賃や管理費が高いので店舗が埋まりません。震災後住民とくに借家人が地域から多く出て行き人口も減りました。住民側の意向と市役所の再開発プランとの隔たりが大きいのです。」
石井弘利さんは教訓としてこういわれました。
「役所と言うのは住民がだまっとったら何もせえへん。言わないと権利もないと思わないといけない。」
「役所は命を守ってくれない。命を守るのは、自分と家族と隣近所のお付き合いだ。地域で真剣に考え、検討しないといけない。その上で役所に要求すべきことはすることだ。」
「地震となれば電気とまる。ガスも水道も止まる。家も壊れる。商売人は商売せいへんかったら1円も収入がなくなる。でも役所の人は罹災の時も給与は出るし、ボーナスまで出るんや。商売人はたいへんやぜ。だから日頃から真剣にもしものことも考えなあかんのや。役所は助けてはくれへんのやから。」
「要求して5年据え置きの金利なしの20年支払いの貸し付けをしてはくれましたが、まもなく20年。支払いの延長を要求するものもおるやろう。役所やコンサルが言うように簡単にまちは再興できへんのや。
復旧はたしかにできたのかもしれん。でも復興は未だならずや。」と言われました。
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-39d2.html
「住民側は集まって、まちづくり協議会をこしらえて、地域の要望を役所に言うことや。言わないと何も始まらん。それをせんと文句ばかり言っても何も変わらん。
住民側も勉強せんといかん。役所に対抗するには勉強が必要や。地域の絆を強めて、地域からの要求を聞いてもらうことや。それにはメンバーには役所の人にも入ってもらい、一緒に地域づくりをやっていたらえいと思う。
いずれにしろこの地域は南海地震が来るのだから、。その時に困らないように、地域の地盤のかさ上げをするとか、耐震地盤をこしらえるとか、耐震高層住宅を建てるとか地域の要求を行政側に出すことや。それを地道にやっていくことです。」
長田の人達のアドバイスがあり、昨年6月に東北被災地交流ツアーを坂本茂雄さんのお世話で現地へ行き、復旧・復興の差は、地域コミュニティの力の差であると理解出来ました。
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-f0e7.html
そういう素地がある中で、昨年内閣府の「地区防災計画」に高知市役所を通じてエントリーし、市役所とアドバーサーなどと協働して下知地区防災計画=下知事前復興計画を策定しようと思っています。
記事にはありませんでしたが、当日昭和小学校の先生の皆様が6人出席いただきました。子供相手に仕事でプレゼン(授業)をされておられるので、構想力やまとめる力や、表現力が素晴らしい。生徒たちが作成した「昭和小減災新聞」は素晴らしい出来栄えです。
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-bc08.html
今後は昭和小の教員の皆様や生徒たち、また保護者達も大きな核になり下知地区防災計画=下知事前復興計画を推進する必要があるでしょう。
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