下知地区避難所開設・運営ロールプレイニングの成果と課題
2015年11月29日に下知コミュニティ・センター全館を利用した「下知地区総合防災訓練・状況付与型避難所開設。運営訓練」が実施されました。暮れも押し詰まった2015年12月26日に、「下知地区避難所開設・運営ロールプレイニングの成果と課題」の反省会が行われました。
運営訓練当日主に班長をしていただいた下知減災連絡会役員と、志のあるメンバーや、当日リーダー・副リーダーをした役員と、高知市市役所地域防災推進課の山中晶一氏と山本美咲氏が出席して行われました。
せっかく密度の濃い訓練をしたので、「年内に反省会をやる」ということできつかったですが、11人が出席し、反省会が行われました。
山中晶一氏より「今一度今回の訓練の意義と目的を申し上げます。
1)下知地区において、「南海地震発生後津波から命を守るため各避難場所へ避難した住民が、長期浸水によりそのまま同所にて滞在せざるを得ない状況下で救助・救援を待つ」という現実に即した訓練を行うものです。
2)次回以降「下知地区の住民が各自避難したビルなどで、そのまま滞在せざるを得ない状況下での訓練」を行うために、今回は下知地区減災連絡会が「下知コミュニティセンター運営委員会」として避難所運営を務め、「避難所開設・運営のイメージの共有化」を図っておくもの。です。
つまり下知地域においては、一般的なドライエリアの避難所運営ゲーム(HUG)などでは、解決できない問題が、地域特性としてあります。それは下知地域が地盤沈下により長期浸水地域になる可能性が極めて高いからです。浸水や津波から避難したビルでそのまま救助が来るまでは避難所生活も強いられる事態も当然予想されるのですから。
いわば今回は下知地域の防災リーダーの研修会でもありました。
次回はそれぞれの地区の避難場所・収容所としている昭和小やちより街テラスやハーモニーホスピタルやマンションなどで、避難所を開設し、運営することもしていくことが必要であると山中晶一氏は言います。
それは今取り組んでいる内閣府のモデル事業「下知地区防災計画(共助の防災計画)のなかで明確に位置づけられています。
つまり「希望ある未来にむけた下知事前復興計画をつくり、生活と街を再建するために住民を失わないことを最優先し、そのための個別計画を策定し実施する」ことにあります。
①命を守る→②命とつなぐ③生活を立ち上げる という下知事前復興計画のなかに、今回の避難所運営訓練もまた組み込まれているのです。
そして山本美咲さんから「下知地区総合防災訓練 状況付与計画表」が示されました。14時スタートで16時30分まで、下知地域の地域特性(低地である。自然の高台がない。高齢他が多い。ビルへ逃げるしかない。踏まえて「状況付与」が行われました。
地域の津波避難ビルからトランシーバーでの状況付与(近くの津波ビルで15人が食料を要求しています。)。また防災無線を通じた災害対策本部からの状況付与(食料をへりで投下する準備が出来た。)など
また4つの班(総務・情報管理班、保健・衛生班、医療・福祉班、食料・支援班9の班長も班員も協力して,状況付与に良く対応していました。またしのなかで課題も見つかりました。
班長が訓練当日書き出した課題や問題点を、山本さんが判別の課題にまとめて来てくれていました。よくまとめていただきました。
リーダー・副リーダーは「状況の仕分けに追われ、班に委託し、報告を受けることに忙殺され、状況をそのつど避難所の住民に的確に伝達することが遅れ気味でした。また掲示板に掲示していくことも遅れました。
「最初に避難者のトリアージをせんといかんろう。避難所運営を手伝ってもらう人をその場で選ばんといかんきに。」
「動いている人と何もせずぼんやりしている人もいました。何かしらの役目は必要ですね。」
「事前に決めておくべきことはやっていないといかん。避難所のルールなどは決めておいてすぐに掲示し、秩序を作らんといかんですね。」
「情報の共有は広く早くすること。判断は系統だててすること。」
「情報伝達係りや、広報専門は必要」
「遊軍はいりますね。」
「下知減災連絡会内の単位自主防災会の訓練を行い、連動する工夫が必要。」
「各避難ビルごとにマニュアルをつくる必要性がある。」
まだまだたくさんあったことと思います。とりあえずは次の目標ができたことで今回の訓練成果がありました。
「来年は昭和南海地震から70周年。若松町を見習って朝6時から津波雛訓練を下知地域全体でやりましょう。」という前向きな意見も出されました。
どうせやるなら防災無線放送を6時に訓練で拡声器から言って訓練することも告知がきっちりしておれば可能でしょう。
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