第2回高知市下知地区防災計画ワークショップ
内閣府の地区防災計画のモデル事業の推進に取り組んでいる高知市下知地区。「第2回下知地区地区防災計画ワークショップ」が2015年11月7日に、下知コミュニティ・センターにて開催されました。アドバーサーは鍵屋一さん(跡見学園大学観光コミュニティ学部)です
9月3日に開催されました1回目の検討会で出た意見「下知地区の事前復興計画」のワークショップのまとめが資料として配布されました。多く出た意見として「五台山にゆめアーチ。頂上に貸し別荘。観光・ロープウエイ」「世代間交流が盛んな街(花火大会をする!町全体を公園に!保育園や老人ホームを複合施設に)」がありました。
第2回地区防災計画ワークショップでは、第1回目の流れを意識して、参加者を高齢者・稼動世代・子供の班に分け、個別課題に挙げ、解決策も提唱するというもの。
「大地震の今後30年間に発生する確率は60-80%。交通事故の20%、火災で死傷する確率0.2%より遥かに高い。まずそれを今一度確認しましょう。」
また「復興の7要素」というものがあり、阪神大震災の時の調査で、復興の印象を実感したのは「すまい・人と人とのつながり・まち」が修復された時が上位でした。
前回第1回検討会で参加者各位が出し合った「住民の自助・共助を重視し、地域協働復興の手順を定める」「将来像(復興デザイン)」の検討をしました。
行政的には「建築制限から復興対象地区の指定」「仮設市街地づくりの推進」「復興計画の策定と都市復興事業の推進」が災害発生後になされる事業です。それを高知市下知地域では、災害前に想定し、議論を行い深め合うことを重視し「事前復興」を行っているのです。
ワークショップ(ワールド・カフェ)のルールは、「1人が話している時は、他の3人は批判なしに聞くこと」「話す時間はできるだけ平等にする」ことです。
まず初めに阪神大震災時の実話である「神戸市震災人材バンクのインタビュー「高齢者・障害者への対応」を10分間参加者全員で黙読しました。
災害後の高齢者、障害者の状況を理解したうえで、各テーブルごと(高齢者・子供・稼動世代)に自己紹介し、災害後の課題と解決の方向性やアイデアを話し合い、ポストイット紙に書いて、模造紙に張り付け、参加全員で問題を共有します。
参加したテーブルは、昭和小の教員の方が参加されていたので、「子供の課題」をだし、解決策を話し合いました。
「発達障害のこどもは見かけはわかりません。でも大きな災害後、皆が避難している避難所で、我慢して共同生活することが困難な子供もいます。まだまだ周囲の理解が足りないので、親も隠したり、孤立化する傾向があるので、より事態が深刻になることも多いようです。」との報告が先生たちから出されました。
にわか勉強で「発達障害について調べました。」
「発達障害は、脳機能の発達が関係する生まれつきの障害です。発達障害がある人は、コミュニケーションや対人関係をつくるのが苦手です。また、その行動や態度は「自分勝手」とか「変わった人」「困った人」と誤解され、敬遠されることも少なくありません。それが、親のしつけや教育の問題ではなく、脳機能の障害によるものだと理解すれば、周囲の人の接し方も変わってくるのではないでしょうか。
ここでは、発達障害のある人を理解するために、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など、主な発達障害の特徴を紹介します。なお、発達障害は、複数の障害が重なって現われることもありますし、障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は違ってきます。発達障害は多様であることをご理解ください。」(政府広報HP)
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html
高齢者に多い「認知症」とはまた異なる障害の特性があるようです。コミュニケーションの障害という点では同じようなところですが、皆が災害直後は心の余裕がない状態の中で、高齢者や障害者の問題も皆で「共有する」気持と心構えと準備もまた必要であるということです。
黙読した神戸の「高齢者・障害者への対応」も、結論は「世話される側、支援され続ける側から、世話する側、支援する側に、無理なくまわることが解決策である。」ということでした。
今回のテーマも「SOSを困っている側が上手に発信すること」「周囲も多様な状況を受け入れること」での地域コミュニティの信頼醸成があるのではと思います。
他のテーブルからも多様な問題点、多様な解決策が出ました。「狭い常識や偏見」で相手の意見やアイデアを批判しない。否定しないという手法はとても良いと思います。発言時間も平等にして多様な意見を出していただくことで、多くの問題を参加社各位で共有化し、解決策も多様な視点とアイデアでたくさん出すことが出来ました。
次回は「課題」と「対応する解決策」をそれぞれ突合せてみます。
そして「重要性( 点)×実現可能性( 点)で、下知地域の課題を抽出し、参加者各位で判定して解決策まで提示できれば、下知地区防災計画の「事前復興計画」の骨子はほぼ完成できるのではないかと思います。
それが「市民自治」であるのか現時点ではわかりませんが、私たちはそれをめざした地域復興、まちづくりを目指して行きたいと考えています。
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