下知地区避難訓練実施編が実施されました
2015年11月29日、下知コミュニティ・センターにて2015年度の下知地区総合防災訓練が行われました。他の地域と異なり下知地域は低地で海はまじかであり、高台が皆無な地域です。それ故体育館形式で通俗的な避難所開設・運営訓練をしても無意味であるとの判断が下知減災の役員各位にありました。
今回の下知地区避難訓練の目的は、高知市地域防災推進課とも協議し、以下のように定めました。
1)下知地区において「南海トラフ地震が発生後、津波から命を守るために各避難所に避難した住民が、長期浸水状態によりそのまま同所(津波避難ビルや地区指定避難ビル)にて滞在せざるをえない状況下で救助・救援を待つ」という現実に即した訓練であります。
2)次回以降は「下知地区の住民が各自で避難したビル等で、そのまま滞在せざるを得ない状況下での訓練」を行うために、下知減災連絡会が主催し、「下知コミュニティ・センター避難所運営委員会」として避難所運営委員会を実施します。そのことで「避難所開設・運営のイメージを参加者各位で共有する」ことが目的です。
訓練のやりかたとすれば、訓練参加者を「リーダー・副リーダー」「総務班・情報班」保健衛生班」「医療福祉班」「食料物資班」にわけ、避難者各位が役割分担を担います。
訓練方式は「状況付与型実施訓練(ロールプレイング方式によるシナリオ非開示型実地訓練)です。
まず午前10時に3階会議室に役員が参集し、高知市役所地域防災推進課の山中、山本両氏を交え事前打ち合わせを下知減災連絡会役員会としてしました。流れの説明をしました。
一段落しますと屋上のLPガス災害用ユニットにてお湯を沸かし、お米を袋に入れて炊き出しをします。LPガスユニットの安全な使用方法につきましては、ツバメガスの小吉氏に説明いただきました。詳細に注意事項をしました。
昼食後午後1時から下知総合防災訓練を開始しました。統括役の下知減災連絡会森宏会長が挨拶しました。坂本茂雄事務局長が訓練の流れの説明をしました。高知市役所山中氏より訓練の狙いと目的の説明がありました。
参加者は40人。高齢者(80歳以上)が10人、子供(10歳以下)が7人参加しました。参加者各位には説明の間、避難者名簿を記入いただき、回収しました。避難者名簿の重要性を説明しました。食物アレルギーの子供がいることと、持病のある高齢者がいることも確認しました
防災無線にて、災害対策本部と交信し、避難所開設を宣言して訓練が開始されました。被災者の最新情報を伝達しました。まず各班で下知コミュニティ・センターの在庫してある備品の確認をしました。足りないものをチェックしました。
市役所側から「L2想定の巨大地震が発生、震度7の揺れ、地盤沈下、30分後に津波の第1波が来ます。最大5Mの浸水が確認されました。
確認作業が終わりますと、市役所側から「状況付与」が次々と出されます。
「低体温症の住民が出ました。どうするのか?」
「濡れた被災者が到着した。」
「近くの避難ビルに避難した住民から水と食料の分配要求がある。」
「在宅避難者に怪我人がいるようです。」
「足から出血した怪我人が来ました。」
「薬の種類がわからないという高齢者がいる。」
「避難者全員から水が欲しいとの要求があった。」
「ペットと一緒に避難したい人がいる。」
「煙草の喫煙場所が欲しい。」
「女性用の着替え場所がほしい」などの「状況付与」が行われました。
32の状況付与が市役所側から行われ、各班は対応に追われました。それでも予定の60の半分であるとか。ついつい過剰対応になり、時間を費やしてしまったり、冷静さを失うこともわかりました。
今回の「混乱」の結果を次回以降に活かしたいと思いました。
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