巨大津波にどう備えるのか
2015年5月24日の朝日新聞高知版は、「2000年前に巨大津波 三重で痕跡確認」「国想定南海トラフ級の可能性も」「高知大 堆積物 高知・徳島でも」との記事が掲載されていました。
高知大学岡村眞特任教授への取材記事でした。岡村教授は20年ほど前から海に近くの淡水池の水底の堆積物調査をされてこられました。
淡水池に筏を浮かべ、金属製のパイプ(長さ10M)を池の底に突き刺し、堆積物を取り込み分析されます。海の堆積層の厚みで津波の規模が想定されるそうです。
今回の三重県南伊勢町の調査では、2000年前に巨大津波の痕跡が発生されたとのことです。岡村教授は地球学会で発表されると記事にありました。
2015年5月25日の新聞各紙では、福島第1原子力発電所が津波想定を低くし、すべき安全対策を怠り、非常用電源の確保すらしていないという不作為が厳しくIAEAが批判しています。
http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015052401001632.html(47ニュース)
2007年の新潟中越沖地震にて東京電力新潟柏崎刈羽原子力発電所が罹災しました。幸い大事故にはなりませんでした。当時から原子力関係者から福島第1原子力発電所の、津波に対する対策が不十分との指摘がされていました。
東北地方は貞観地震の大津波で過去に大きな被害が出ていました。ただ福島は300年間大きな地震が起きていなかったため、原子力関係者に慢心があったと思われます。

(震災から4年が経過しても福島原発の廃炉のロードマップは確立していません。)
南海地震対策は、過去最大と思われていた宝永地震(1707年)を想定した防災対策を行政は推進してきました。
今回の岡村眞教授の発見は、2000年前に宝永地震をはるかに上回る巨大地震が起き、大津波が三重県を襲っていたことを実証しました。
防災対策の根本からの見直しも必要になりました。沿岸に立地する日本の原子力発電所は、より危険性が増したと思います。

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