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2013年11月10日 (日)

「長田復興から学ぶ!下知復興への備え」第2回防災部会講演会 


 2013年11月8日に高知市下知コミュニティ・センターにて「長田復興から学ぶ!下知復興への備え」第2回防災部会講演会 が開催されました。
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 司会進行は下知コミュニティセンター有光センター長がされました。

 今日は、遠く神戸市長田区鷹取商店街振興組合理事長石井弘利さんをお招きし、「長田復興から学ぶ!下知復興への備え 地域の復興と住民の心の復興」という表題で、お話を伺いたいと存します。始めに下知コミュニティ・センター運営委員会西村健一防災部会長より歓迎の挨拶をいたしました。。
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 「下知コミュニティセンター防災部会長 西村健一です。5年前二葉町防災会として鷹取町内会の皆様とは交流させていただきました。今日は住民視点から長田区鷹取地域の街の再生にどう取り組まれて来たか。また教訓はなにか。本音の話を傾聴したいと存します。

 今年で阪神大震災(1995年1月17日)から、18年が経過いたしました。神戸市は建物こそ復旧し新しい町並みが形成されていますが、下町の長田区のかつての賑わいは再生されておりません。

 再開発ビルや復興ビルは数多くの店舗がシャッターを閉めています。神戸市役所の思惑と、市民の街を思う気持ちとが上手く未だにかみ合っていないようにも思えます。そのあたりはどうなのか?わたしたちが参考にすべき点は何なのかをお話していただきたいと思います。」
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 次に、今回の石井弘利さんと高知市下知地域との懸け橋であり、二葉町自主防災会の設立以来の顧問である防災寺小屋主宰の西田政雄氏より、石井さんとの関わり、今回の講演会の意義についてお話をしていただきました。

 「必ず来るであろう南海トラフ巨大地震。来る前に地域住民としてやらなければならないことはいくらでもあります。そのあたりヒントになる話を石井弘利さんの震災から18年間の体験談から学んでいただきたいと思います。なにもない。知識もない状態から区画整理事業や都市計画を勉強され、住民の要求をいくつか実現されました。

 そのあたりの実話をじっくり聞いていただきたい」と述べられました。
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「高知市下知地域。海抜0メートル。すぐに水が来る。津波が来る。そのことが話題の中心になっているようですが、家の中からまず安全に避難することも皆が真剣に考えないといけないのではないでしょうか。」

「地震当日は5時46分に地震があり、6時にはもう火事になっていました。神戸市のコンピューターシステムが誤作動し、消火栓にホースをつないでも水が出ませんでした。おかげて地域は全焼。100人以上が犠牲になりました。」

「犠牲者の大半は高齢者と子供です。避難計画を立てる場合は、その高齢者と子供の安全をどう確保するのかも検討しないといけないと思います。」

「地震当時もそうでしたが、地域の中学生・高校生たちが大活躍しました。日頃から地域との交流を深めていくことは大事であると思います。」

「さて地域の再建・復興の話ですが、当初区画整理事業というもにが皆理解できませんでした。神戸市が一方的に「平均9%の減歩」を言って来ました。我々は勉強して神戸市と交渉し「上限9%の減歩」にさせました。
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 当時の建設省へも乗り込み、長田の窮状を訴えました。そうすると翌日から神戸市の態度が急変しました。行政の言いなりになるのではなく、住民側も言うべきことは言うべきです。」

「行政は例外がないから出来んと言う。それもしつこく言い続けるとそれは実現する。役所と対抗するには勉強しないといけない。まちづくり協議会などの住民の広範な組織で議論して、勉強して行政側と対峙しないといけない。」

「長田では市役所主導の再開発ビルが建ちました。家賃や管理費が高いので店舗が埋まりません。震災後住民とくに借家人が地域から多く出て行き人口も減りました。住民側の意向と市役所の再開発プランとの隔たりが大きいのです。」

 石井弘利さんは教訓としてこういわれました。

「役所と言うのは住民がだまっとったら何もせえへん。言わないと権利もないと思わないといけない。」

「役所は命を守ってくれない。命を守るのは、自分と家族と隣近所のお付き合いだ。地域で真剣に考え、検討しないといけない。その上で役所に要求すべきことはすることだ。」

「地震となれば電気とまる。ガスも水道も止まる。家も壊れる。商売人は商売せいへんかったら1円も収入がなくなる。でも役所の人は罹災の時も給与は出るし、ボーナスまで出るんや。商売人はたいへんやぜ。だから日頃から真剣にもしものことも考えなあかんのや。役所は助けてはくれへんのやから。」

「要求して5年据え置きの金利なしの20年支払いの貸し付けをしてはくれましたが、まもなく20年。支払いの延長を要求するものもおるやろう。役所やコンサルが言うように簡単にまちは再興できへんのや。

 復旧はたしかにできたのかもしれん。でも復興は未だならずや。」と言われました。
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 会場からの質問もありました。住民の心構え、役所の態度についての質問が多かったようです。それに対して石井弘利さんはこう言われました。

「住民側は集まって、まちづくり協議会をこしらえて、地域の要望を役所に言うことや。言わないと何も始まらん。それをせんと文句ばかり言っても何も変わらん。

 住民側も勉強せんといかん。役所に対抗するには勉強が必要や。地域の絆を強めて、地域からの要求を聞いてもらうことや。それにはメンバーには役所の人にも入ってもらい、一緒に地域づくりをやっていたらえいと思う。

 いずれにしろこの地域は南海地震が来るのだから、。その時に困らないように、地域の地盤のかさ上げをするとか、耐震地盤をこしらえるとか、耐震高層住宅を建てるとか地域の要求を行政側に出すことや。それを地道にやっていくことです。」

 週末で参加者は23人でしたが、中身の濃い懇談会でした。せっかく鷹取商店街振興組合理事長が来ているのに、建設業協会や中心市街地商店街や卸商組合にもご案内をしましたが、参加はありませんでした。このあたりも高知の商業者の問題意識の低さが気になるところです。

 高知市議会議員や高知県議会議員全員にも案内しましたが、ご参加いただいたのは、地域代表の坂本茂雄県議と、上田貢太郎市議だけでした。選良の意識の低さも気になりますね。
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 高知も他人事ではありません。南海地震は間違いなく起こります。市民としての「心構え」をあらためて再考させられた講演会でした。
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 講演会は最後に二葉町自主防災会会長の森宏さんの謝辞で終わりました。

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